2026年1月16日、Porsche AGは、2025年の世界販売実績を発表し、年間の総販売台数が279,449台となったことを明らかにした。前年の310,718台からは約10%の減少となったが、同社はこれを想定内の結果と位置づけ、「量より価値」を重視する戦略を引き続き堅持している。経済環境や地政学的な不確実性が続く中でも、地域別・モデル別に見てバランスの取れた販売構成を維持した点が特徴である。
供給制約と市場環境が販売減の主因
販売台数が前年を下回った背景について、Porsche AGのセールスおよびマーケティング担当取締役であるマティアス・ベッカーは、内燃エンジンを搭載する718およびMacanの一部モデルで生じた供給ギャップ、中国市場における高級車需要の低迷、そして意図的な供給管理を挙げている。とくにEUのサイバーセキュリティー規制の影響により、欧州では718およびMacanの内燃エンジンモデルの供給が制限され、結果としてドイツを含む欧州市場で販売台数が減少した。
北米が最大市場、911は過去最高の販売台数
地域別では、北米が86,229台を販売し、引き続きPorscheにとって最大の市場となった。欧州(ドイツを除く)は66,340台、ドイツ国内は29,968台といずれも前年を下回った一方、海外および新興市場は54,974台と、ほぼ前年並みの水準を維持している。
モデル別で注目されるのが、スポーツカーの象徴である911の動向だ。2025年の販売台数は51,583台に達し、過去最高を更新した。内燃エンジンモデルおよびT-ハイブリッド仕様がグローバルで高い支持を得たことが、この記録達成につながっている。
Macanは最多販売モデル、電動化比率も上昇
2025年に最も多く販売されたモデルラインはMacanで、販売台数は84,328台に達した。このうちフル電動モデルは45,367台と半数以上を占めている。EU以外の多くの市場では内燃エンジン仕様も継続して提供され、38,961台が販売された。
一方、718 Boxsterおよび718 Caymanは、モデルラインの段階的廃止に伴い18,612台と前年から21%減少した。718の生産は2025年10月に終了しており、これも販売構成に影響を与えている。
電動化は着実に進展、欧州では電動車がICEを上回る
Porscheの電動化戦略も2025年は大きな節目を迎えた。世界全体で見ると、販売された車両の34.4%が電動化モデルとなり、その内訳はフル電動車が22.2%、プラグインハイブリッド車が12.1%である。フル電動車の比率は、同社が掲げていた2025年目標レンジ(20~22%)の上限に達した。
とくに欧州では、初めて電動車の販売台数が純内燃エンジンモデルを上回り、電動車比率は57.9%に到達。そのうち約3分の1がフル電動車であり、PanameraおよびCayenneはプラグインハイブリッドモデルが販売の大半を占めた。
中国市場は苦戦、競争激化が影響
中国では41,938台を販売したものの、前年比では26%減となった。高級車市場全体の需要低迷に加え、とくにフル電動車セグメントでの競争激化が影響している。ポルシェは同市場においても、値引きによる数量拡大ではなく、ブランド価値を重視した販売姿勢を継続する方針だ。
日本市場は過去最高の新規登録台数を記録
日本市場では明るい材料もある。ポルシェジャパンによると、2025年の国内新規登録台数は9,767台となり、前年比5.1%増で過去最高を更新した。新型Macan Electricの販売開始に加え、2024年にモデルチェンジを受けた911、Taycan、Panameraが通年で販売に寄与したことが主な要因とされている。
2026年に向けた展望
Porscheは2026年についても、「量より価値」の戦略を軸に、需要と供給を慎重に管理していく方針を示している。718およびMacanの内燃エンジンモデル生産終了を見据え、現実的な販売計画を立案する一方、内燃エンジン、プラグインハイブリッド、フル電動という3本柱のパワートレイン戦略への投資を継続する。
加えて、エクスクルーシブマニュファクチャーやゾンダーブンシュといったカスタマイズプログラムを通じ、顧客の個性化ニーズへの対応を強化していく構えだ。2025年の実績は、販売台数の増減以上に、Porscheがどの方向性を重視しているのかを明確に示す一年だったと言えるだろう。
(Text by 8speed.net Editorial Team / Photos by Porsche AG)
※本記事はプレスリリースをもとに、一部AIツールを活用して作成。編集部が専門知識をもとに加筆・修正を行い、最終的に内容を確認したうえで掲載しています。