Porsche AGは、2025年12月11日にフェルディナンド・アレクサンダー(F.A.)・ポルシェが生誕90年を迎えたのを記念し、特別限定モデル「911 GT3 90 F.A.Porsche」を発表した。世界限定90台のみが製造されるコレクターズカーで、2026年4月から注文受付が開始される予定だ。
F.A.ポルシェは初代911のデザインを手がけ、「形態は機能に従う」という哲学を体現した人物として知られる。本モデルは、彼が1980年代にドライブしていたGシリーズの911や、当時のデザイン思想に着想を得て仕立てられている。製造はポルシェの個別プログラム「ゾンダーブンシュ(特別な願い)」によって行われ、そのうち1台はF. A.ポルシェの子息であるマルク・ポルシェが所有する。
専用色「F.A.グリーンメタリック」を採用
エクステリアで最も象徴的なのが、専用カラーとして新たに開発された「F.A.グリーンメタリック」だ。F.A.ポルシェが愛用していた911のオークグリーンメタリックをモチーフに、ペイント・トゥ・サンプル・プラスのエキスパートがポルシェ家と協力して仕上げた。このモデルは、Aピラーに新設される「Paint to Sample / Paint to Sample Plus」ラベルが貼付される最初の車両にもなる。
ホイールには、911 GT3ツーリングパッケージでは通常設定されないサテングロスブラック仕上げのスポーツクラシックホイールを装着。往年のフックスホイールを思わせる意匠に、センターロック機構や1963年の歴史的クレストをあしらったハブカバーなど、細部までヘリテージ性が追求されている。リヤのトランクリッドグリルには、「90 F.A.Porsche」の文字を刻んだゴールド仕上げのバッジが備わる。
ジャケットの柄を再現した特別インテリア
インテリアは、トリュフブラウンのクラブレザーを基調に、チョークベージュのステッチを組み合わせた落ち着いた空間が広がる。シートセンターパネルには、F.A.ポルシェが生前愛用していたジャケットの柄に着想を得た「F.A.グリッド織り」ファブリックを採用。この生地は、グローブボックスやラゲッジルームマットなどにも用いられている。
シフトノブには、F.A.ポルシェのサインが刻まれたウォールナット製のパーツを装備。ダッシュボードには「One of 90」の文字とともに、サインや初代911のシルエットを配したゴールドプレートが取り付けられ、限定モデルであることを強く印象づけている。
ベースは911 GT3ツーリング、510PSの自然吸気エンジン
この特別仕様車のベースとなるのは、展開式リヤスポイラーを備えた911 GT3ツーリングパッケージだ。搭載される自然吸気4.0L水平対向6気筒エンジンは、最高出力510PS、最大トルク450Nmを発生する。価格は5,071万円(税込)を予定しており、最終的な個別設定を経て、2026年後半から生産が開始される見込みだ。
限定クロノグラフとウィークエンダーバッグも付属
購入者には、特別仕様の「ポルシェデザイン クロノグラフ1」も付属する。F.A.ポルシェの思想を反映したブラック基調のデザインに、限定ナンバーやサインが刻まれたこの時計は、スイスの自社工房で手作業により製作される。さらに、車両のインテリアと同じ素材と配色を用いたウィークエンダーバッグもセットとなる。
スポーツソリ「ポルシェジュニア」も復活
このアニバーサリーに合わせ、1960年代にF. A.ポルシェがデザインしたスポーツソリ「ポルシェジュニア」も現代的に復刻された。カーボンファイバー製の軽量構造を採用し、車両と同じF.A.グリーンメタリックで仕上げられる。こちらも90台限定での展開となる。
(Text by 8speed.net Editorial Team / Photos by Porsche AG)
※本記事はプレスリリースをもとに、一部AIツールを活用して作成。編集部が専門知識をもとに加筆・修正を行い、最終的に内容を確認したうえで掲載しています。