2025年11月17日、ポルシェジャパンが設立30周年を迎えた。1995年にポルシェAGの100%出資子会社として設立され、1998年1月から日本におけるポルシェ車の総輸入元として営業を開始した。同社はモデルラインアップの拡充、販売ネットワークの整備、ブランド体験の強化を通じ、日本市場におけるポルシェの存在を着実に拡大してきた。

日本の新規登録台数は1996年の1900台からスタートし、その後Boxster、Cayenne、Cayman、Panameraなどの導入を経て成長を続け、2024年には過去最高の9292台を記録している。この数値は、輸入車市場における同ブランドの安定した需要を反映したものといえる。

2025年8月に代表取締役社長に就任したイモー・ブッシュマン氏は、節目を迎えるにあたり、オーナー、販売店、地域社会、従業員への感謝を述べたうえで、「共有する情熱をさらに大きな力へ育み、パフォーマンスを追求しながら歩み続けたい」とコメントしている。

PEC東京の設立が示す市場へのコミットメント

30年の歩みの中で大きなトピックが、2021年10月に「Porsche Experience Center Tokyo(PEC東京)」をオープンしたことだ。千葉県木更津市に位置する同施設は、世界で9番目となる大型ブランド体験拠点として設立され、2025年11月時点で8万3625名が利用している。

PEC東京は単なるドライビング体験施設にとどまらず、ブランド理解の促進、教育プログラムの実施、地域との共生を重視した活動拠点として発展してきた。地域住民との共同イベント開催や行政との連携施策など、ポルシェジャパンの姿勢を象徴する存在となっている。

PCCJとPSCJが支えるモータースポーツ文化

モータースポーツ分野では「Porsche Carrera Cup Japan(PCCJ)」が重要な役割を担ってきた。2001年にスタートしたPCCJは、2025年に25周年を迎える日本で最も長く続くワンメイクレースである。若手育成を目的としたスカラシッププログラムは2009年から実施され、多くの若手ドライバーがステップアップしている。

さらに2010年には「GT3 Cup Challenge」(現在のPorsche Sprint Challenge Japan=PSCJ)が追加され、カレラカップへの登竜門として幅広い層のドライバーを受け入れてきた。両シリーズは、同社のモータースポーツDNAを日本市場で継承する基盤になっている。

■企業市民としての姿勢を強めるCSR活動

PEC東京を契機に、ポルシェジャパンはCSR活動にも重点を置くようになった。木更津市との連携はその代表例で、有機栽培米を学校給食へ提供するプロジェクトや、地域イベント「木更津ブルーベリーRUN」への協力など、地元とともに歩む活動を展開している。市道のネーミングライツ契約により「ポルシェ通り」が正式に命名されたことも象徴的である。

また、ふるさと納税返礼品としてPEC東京のプログラムを提供する取り組みも行われており、地域の魅力発信や来訪者増加に貢献している。

スポーツ振興では、2024年から東京マラソンのオフィシャルパートナーとなり、先導車や計時車としてTaycanやMacanなどの電動モデルを提供。世界的マラソン大会の運営を技術面で支えている。

教育分野では、東京大学先端科学技術研究センターと共同で「LEARN with Porsche」を進め、全国の中高生を対象にした体験合宿を通じて課題解決力を育むプログラムを実施している。2021年の開始以降、74名が参加しており、2025年2月には東京大学安田講堂でシンポジウムも開催された。

自動車インポーターとして初の紺綬褒章を受章

こうした継続的な社会活動が評価され、ポルシェジャパンは2025年、自動車インポーターとして初めて日本国政府より紺綬褒章を授与された。寄付活動の実績と教育支援の取り組みが高く評価されたもので、9月には東京大学先端科学技術研究センターで褒状の伝達が行われている。

同社は30周年を迎えたことについて、日本社会に根ざした企業活動の重要性を再認識するとともに、今後もモビリティ社会と自動車文化の発展に貢献し続ける方針を示している。

(Text by 8speed.net Editorial Team / Photos by Porsche Japan)
※本記事はプレスリリースをもとに、一部AIツールを活用して作成。編集部が専門知識をもとに加筆・修正を行い、最終的に内容を確認したうえで掲載しています。