Porscheは「Porsche 718 Boxster」「718 Cayman」の後継車に、エンジンを搭載するグレードを用意するようだ。電気自動車の不振により、これまでの方針を変えざるを得ないということだ。

※この記事は「Auto Bild JAPAN Web」より転載したものです。

Porscheは明らかに方針を転換した。2022年、718シリーズを完全にBEV(電気自動車)に切り替え、BoxsterとCaymanを内燃機関を搭載しない形で未来へと送り出すことを発表していたが、これら次世代の2種類のミッドシップスポーツカーも、少なくとも一部のトップバージョンではガソリンエンジン搭載モデルを引き続き販売することを認めたようだ。

メディアの報道によると、その背景には、同グループの戦略的な方針転換がある。BEVである718シリーズの開発は継続されているものの、Porscheは顧客ニーズやシリーズの収益性を考慮すると、内燃機関を完全に廃止することはリスクが大きすぎると判断したようだ。

BEV版がエントリーモデルに

その結果、「RS」モデルなどの高性能バージョンは、今後も従来の内燃エンジンを搭載したモデルとして提供される可能性がある。これにより、BEVモデルがより安価な選択肢となるという状況が生じるだろう。

新しい内燃エンジンモデルがどのようなベースで開発されるかは、まだ不明だ。当初、純粋なBEVプラットフォームとして計画されていた現行の718の後継モデルは、このために大規模な調整が必要になるだろう。2016年から使用されている既存の「MMB」アーキテクチャーをさらに発展させることも考えられる。生産台数が限られていることを考えると、まったく新しいプラットフォームの開発は現実的ではなさそうだ。

「Macan」と「Cayenne」にも内燃エンジンバージョンが登場する可能性

クラシックなスポーツカーのファンにとっては、この決定は朗報だが、まだしばらく待つ必要がある。現行世代の生産終了から新しい内燃エンジンモデルの市場投入までには、数年かかる見通しだ。噂によると、「Porsche Macan」と次期「Porsche Cayenne」にも内燃エンジンバージョンが登場する予定とのことだ。

(Text by Sebastian Friemel / Photos by Lena Willgalis[AUTO BILD])