2025年8月2日〜3日、静岡県の富士スピードウェイにおいて2025 AUTOBACS SUPER GT Round 4「FUJI GT SPRINT RACE」が開催され、公式戦として初めてスプリント形式で行われたレースで、#666 seven × seven PORSCHE GT3Rが2戦ともに入賞を果たした。
#666 seven × seven PORSCHE GT3R
今回は8月2日にRace 1、3日にRace 2のスプリントレースが行われ、それぞれ別のドライバーがひとりで、公式練習、予選、決勝を走る。当然、決勝中のドライバー交替はなく、タイヤ交換や給油の義務もない。この第4戦に関してはサクセスウェイトも不要で、ふだんのSUPER GTとは異なるバトルが繰り広げられることが期待される。
FIA GT3などが集うGT300クラスには28台がエントリーし、フォルクスワーゲングループ傘下のブランドとしては、PORSCHE 911 GT3Rが1台、LAMBORGHINI HURACAN GT3が2台参戦している。マシンとドライバーの顔ぶれは次のとおり。
マシン | Race 1 | Race 2 |
---|---|---|
#0 VENTENY Lamborghini GT3 | 小暮卓史 | 元嶋佑弥 |
#87 METALIVE S Lamborghini GT3 | 松浦孝亮 | 坂口夏月 |
#666 seven × seven PORSCHE GT3R | 近藤 翼 | ハリー・キング |
#0 VENTENY Lamborghini GT3
#87 METALIVE S Lamborghini GT3
#666 seven × seven PORSCHE GT3R
Race 1
Race 1は、35周のレースがGT500クラスとGT300クラスの混走で行われる。
8月2日は、懸念されていた台風が逸れ、富士スピードウェイは朝から夏の日差しが降り注ぎ、GT300クラスの予選が始まる11時40分には、気温が33℃、路面温度が54℃に達している。20分のセッションでトップタイムをマークしたのは#2 HYPER WATER INGING GR86 GTの平良 響選手。#666 seven × seven PORSCHE GT3Rの近藤選手は11番手、#0 VENTENY Lamborghini GT3の小暮選手は14番手、#87 METALIVE S Lamborghini GT3の松浦選手は20番手からのスタートとなった。
#2 HYPER WATER INGING GR86 GT
決勝は、ポールポジションの#2 HYPER WATER INGING GR86 GTの平良は着実なスタートでホールショットを決めるが、先行するGT500クラスのマシンが100Rでクラッシュしたことから、レース開始早々にセーフティカーが導入される。
5周を終えたところでセーフティカーランが解除されレースがリスタートすると、トップの#2 HYPER WATER INGING GR86 GTを、#61 SUBARU BRZ R&D SPORTの山内英輝選手、#777 D'station Vantage GT3のチャーリー・ファグ選手、#4 グッドスマイル 初音ミク AMGの片岡龍也選手が追う展開に。その後、10周目に#777 D'station Vantage GT3が2番手に浮上し、トップの#2 HYPER WATER INGING GR86 GTに詰め寄っていく。
レース中盤の18周目あたりからサーキットには雨が降り始めた。さいわいウェットタイヤに交換するほどではなかったものの、このあたりから#2 HYPER WATER INGING GR86 GTと#777 D'station Vantage GT3のギャップはさらに縮まり、21周目の1コーナーで#777 D'station Vantage GT3が#2 HYPER WATER INGING GR86 GT飛び込み、コカコーラコーナーを抜けるころには#777 D'station Vantage GT3が先頭に立つ。
その後、#777 D'station Vantage GT3は2番手の#4 グッドスマイル 初音ミク AMGに迫られたもののファイナルラップまで#4 グッドスマイル 初音ミク AMGを抑え込んで、Race 1での優勝を決めた。2位は#4 グッドスマイル 初音ミク AMGの片岡選手、3位は#65 LEON PYRAMID AMGの蒲生尚弥選手が続いた。
#777 D'station Vantage GT3
#777 D'station Vantage GT3
11番手からスタートした#666 seven × seven PORSCHE GT3Rの近藤選手は2つポジションを上げて9位入賞。#87 METALIVE S Lamborghini GT3の松浦選手は21位で完走している。#0 VENTENY Lamborghini GT3の小暮選手は17周目を走行中にエンジントラブルが発生しピットストップ。そのままレースを終えている。
GT300クラス Race 1決勝結果
順位 | マシン | ドライバー |
---|---|---|
1 | #777 D'station Vantage GT3 | チャーリー・ファグ |
2 | #4 グッドスマイル 初音ミク AMG | 片岡龍也 |
3 | #65 LEON PYRAMID AMG | 蒲生尚弥 |
9 | #666 seven × seven PORSCHE GT3R | 近藤 翼 |
21 | #87 METALIVE S Lamborghini GT3 | 松浦孝亮 |
DNF | #0 VENTENY Lamborghini GT3 | 小暮卓史 |
GT500クラスは、セーフティカーランあけの6周目、トップを走行していた#19 WedsSport ADVAN GR Supraの阪口晴南選手を2番手の#1 au TOM'S GR Supraの坪井 翔選手が抜き去り首位に浮上すると、その後はトップを守りきって優勝。2位は#38 KeePer CERUMO GR Supraの大湯都史樹選手、3位は#37 Deloitte TOM'S GR Supraの笹原右京選手と、TOYOTA勢が表彰台を独占する結果となった。
#1 au TOM'S GR Supra
GT500クラス Race 1決勝結果
順位 | マシン | ドライバー |
---|---|---|
1 | #1 au TOM'S GR Supra | 坪井 翔 |
2 | #38 KeePer CERUMO GR Supra | 大湯都史樹 |
3 | #37 Deloitte TOM'S GR Supra | 笹原右京 |
Race 2
Race 2はGT300クラスとGT500クラスが50分の決勝レースを単独で行う。
8月3日、上空を雲で覆われた富士スピードウェイでは、14時15分からまずはGT300クラスの決勝が行われた。スターティンググリッドは、#777 D'station Vantage GT3の藤井誠暢選手がポールポジションを獲得。#666 seven × seven PORSCHE GT3Rのキング選手は9番手、#0 VENTENY Lamborghini GT3の元嶋選手は12番手、#87 METALIVE S Lamborghini GT3の坂口選手は15番手からのスタートとなった。
レースは、#777 D'station Vantage GT3の藤井選手がホールショットを決め、これを3番グリッドからスタートした#2 HYPER WATER INGING GR86 GTの堤 優威選手が追うことに。#777 D'station Vantage GT3の藤井選手はレース中盤まで、#2 HYPER WATER INGING GR86 GTの堤選手を1秒前後の差でリード。レース序盤も#2 HYPER WATER INGING GR86 GTの堤選手に付け入る隙を与えず、一度もトップを譲らず、パーフェクトなポール・トゥ・ウィンを果たした。2位は#2 HYPER WATER INGING GR86 GTの堤選手、3位は#65 LEON PYRAMID AMGの菅波冬悟選手が入った。
#777 D'station Vantage GT3
9番手からスタートした#666 seven × seven PORSCHE GT3Rのキング選手はポジションをひとつ上げて8位入賞。一方、#0 VENTENY Lamborghini GT3の元嶋選手は11位、#87 METALIVE S Lamborghini GT3の坂口選手は14位でそれぞれ完走を果たした。
GT300クラス Race 2決勝結果
順位 | マシン | ドライバー |
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1 | #777 D'station Vantage GT3 | 藤井誠暢 |
2 | #2 HYPER WATER INGING GR86 GT | 堤 優威 |
3 | #65 LEON PYRAMID AMG | 菅波冬悟 |
8 | #666 seven × seven PORSCHE GT3R | ハリー・キング |
11 | #0 VENTENY Lamborghini GT3 | 元嶋佑弥 |
14 | #87 METALIVE S Lamborghini GT3 | 坂口夏月 |
16時50分にスタートしたGT500クラスの決勝レースは、前日のRace 1の決勝でクラッシュした#14 ENEOS X PRIME GR Supraが見事復活してポールポジションを獲得。決勝でも、#14 ENEOS X PRIME GR Supraの福住仁嶺選手がスタートでトップを守ると、これを追う#1 au TOM'S GR Supraの山下健太選手をファイナルラップまで抑え込み、勝利を手にした。2位は#1 au TOM'S GR Supraの山下選手、3位は#38 KeePer CERUMO GR Supraの石浦宏明選手となった。
#14 ENEOS X PRIME GR Supra
GT500クラス Race 2決勝結果
順位 | マシン | ドライバー |
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1 | #14 ENEOS X PRIME GR Supra | 福住仁嶺 |
2 | #1 au TOM'S GR Supra | 山下健太 |
3 | #38 KeePer CERUMO GR Supra | 石浦宏明 |
(Text by Satoshi Ubukata / Photos by Satoshi Ubukata, GTA)