2025年6月28日、マレーシアのセパン・インターナショナル・サーキットにおいて、2025 AUTOBACS SUPER GT Round 3「SUPER GT MALAYSIA FESTIVAL 2025」が開催され、GT300クラスでは#18 UPGARAGE AMG GT3(小林崇志/野村勇斗)が、GT500クラスでは#37 Deloitte TOM'S GR Supra(笹原右京/ジュリアーノ・アレジ)がそれぞれ優勝を遂げた。

2013年以来、12年ぶりの開催となるマレーシア大会。FIA GT3などが集うGT300クラスには、日本から17台、現地から2台(ただしシリーズ賞典外)の計19台が参加した。フォルクスワーゲングループ傘下のブランドとしては、LAMBORGHINI HURACAN GT3の2台に加えて、地元からPORSCHE 911 GT3が1台エントリー。マシンとドライバーの顔ぶれは次のとおり。

  • #0 VENTENY Lamborghini GT3……小暮卓史/元嶋佑弥
  • #87 METALIVE S Lamborghini GT3……松浦孝亮/坂口夏月
  • #611 EBM GIGA 911 GT3……Adrian D Silva/Dorian Boccolacci

公式予選

2025年6月27日(金)の午後、ノックアウト方式の予選が行われた。GT300クラスはA/Bの2組に分かれてQ1に臨み、それぞれ上位6位までがQ2に進む。

Q1 A組では、地元から参戦した#611 EBM GIGA 911 GT3のDorian Boccolacciがトップ通過し、サーキットを沸かせる。同じA組では#0 VENTENY Lamborghini GT3の元嶋佑弥が5番手でQ1を突破した。一方、Q1 B組では、#87 METALIVE S Lamborghini GT3の松浦孝亮がトップタイムでQ2進出を果たした。

Q2では、注目の#611 EBM GIGA 911 GT3が、アタック中に警告灯が点灯してしまい、タイムを残せずに11番手に。一方、LAMBORGHINIは#0 VENTENY Lamborghini GT3がクラス3番手、#87 METALIVE S Lamborghini GT3がクラス4番手に。GT300クラスのポールポジションは#18 UPGARAGE AMG GT3(小林崇志/野村勇斗)が獲得している。

GT500クラスは、#19 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/阪口晴南)が圧倒的な速さを見せてポールポジションを手にした。

決勝

翌6月28日(土)の16時30分には300kmにわたる決勝レースがスタートした。

GT300クラスは、ポールポジションの#18 UPGARAGE AMG GT3がホールショットを決めるが、その後、オープニングラップのうちに#52 Green Brave GR Supra GT(吉田広樹/野中誠太)がトップに踊り出て、レース前半をリードする。3番手からスタートした#0 VENTENY Lamborghini GT3はポジションをキープ、#87 METALIVE S Lamborghini GT3も4番手でこれを追う展開になった。

ところがレース中盤、トップを快走していた#52 Green Brave GR Supra GTがピットストップで作業が長引き、続いてピットストップを行った#18 UPGARAGE AMG GT3にトップを明け渡してしまう。#0 VENTENY Lamborghini GT3はクラス全車がピットストップを終えた時点で3位を守るが、その後、4位を走る#4 グッドスマイル 初音ミク AMG(中山友貴/奥本隼士)に追い詰められ、終盤には4位にポジションダウン。さらに、#87 METALIVE S Lamborghini GT3が#0 VENTENY Lamborghini GT3をかわし、#87 METALIVE S Lamborghini GT3が4位、#0 VENTENY Lamborghini GT3が5位でレースを終える。

その後、#87 METALIVE S Lamborghini GT3がレース中にコース外走行を繰り返したとして40秒のタイムペナルティが科されたため、#0 VENTENY Lamborghini GT3は4位に繰り上がり、#87 METALIVE S Lamborghini GT3は9位となった。地元から参戦した#611 EBM GIGA 911 GT3はクラス17位で完走している。

トップ争いは、#18 UPGARAGE AMG GT3がそのまま逃げ切り、2位に#52 Green Brave GR Supra GT、3位に#4 グッドスマイル 初音ミク AMGがつけている。

GT300クラス 決勝結果

順位No.マシン名ドライバー
118UPGARAGE AMG GT3小林崇志/野村勇斗
252Green Brave GR Supra GT吉田広樹/野中誠太
34グッドスマイル 初音ミク AMG中山友貴/奥本隼士
40VENTENY Lamborghini GT3小暮卓史/元嶋佑弥
987METALIVE S Lamborghini GT3松浦孝亮/坂口夏月
17611EBM GIGA 911 GT3Adrian D Silva/Dorian Boccolacci

GT500クラスは、4番手からスタートした#37 Deloitte TOM'S GR Supra(笹原右京/ジュリアー
ノ・アレジ)が序盤に3位に浮上。その後、ピットストップを遅らせる作戦で暫定トップまでポジションを上げ、迅速なピット作業でトップのままコースに復帰すると、ゴールまでポジションを守り見事優勝した。

2位は#8 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #8(野尻智紀/松下信治)、3位は#12 TRS IMPUL with SDG Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット)という結果になった。

GT500クラス 決勝結果

順位No.マシン名ドライバー
137Deloitte TOM'S GR Supra笹原右京/ジュリアーノ・アレジ
28ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #8野尻智紀/松下信治
312TRS IMPUL with SDG Z平峰一貴/ベルトラン・バゲット

(Text by Satoshi Ubukata / Photos by Michinao Ishibashi)