2024年10月18日、Porsche AGは911 GT3のマイナーチェンジを発表した。

誕生から25年を迎えた911 GT3がType 992.2へ進化。最高出力、最大トルクが従来と同じ375kW(510PS)、450Nmの4.0L水平対向自然吸気エンジンを搭載する一方、内外装やエアロダイナミクスなどのアップデートを実施。さらに、リヤウイングを備えた標準タイプの911 GT3とともに、リヤウイングのない911 GT3 ツーリングパッケージを同時に発表している。

新型911 GT3では、前後のデザインがこれまでよりもシャープになるとともに、フロントディフューザーやスポイラーリップ、アンダーボディの形状を最適化することでエアロダイナミクスを向上。サスペンションは、高速からのブレーキング時でもフロントアクスルとリアアクスルのダウンフォースバランスが保たれるように、ピッチング(アンチダイブ)を低減するサスペンションジオメトリに変更。また、専用開発のティアドロップ型トレーリングアームをフロントサスペンションに採用することで、ホイールアーチのダウンフォース増加とブレーキ冷却の改善が図られたという。

サーキット走行に適したヴァイザッハパッケージ(Weissach Package)では、リアアクスルのアンチロールバー、カップリングロッド、シアパネルは、ルーフ、リアウイングのサイドプレート、エクステリアミラートップシェル、ミラートライアングル、フロントエリアのエアブレードがCFRP製となる。また、CFRP製ロールケージやマグネシウム軽量鍛造ホイールがオプション設定される。

サーキット走行用のクラブスポーツパッケージは無償オプションとして用意され、スチール製ロールケージ、ドライバー用の6点式シートベルト、手持ち式消火器が含まれる。ただし、クラブスポーツパッケージを選ぶには、オプションの軽量スポーツバケットシートを選ぶ必要がある。

911 GT3 ツーリングパッケージでは、固定式リヤウイングに変えて、伸長式リヤスポイラーを採用。室内は、レザーインテリアがクラシックでスポーティな雰囲気をつくりあげる。リヤシートシステムはオプションで選択可能である。ボディ同色のCFRP製ルーフなどで構成されるライトウェイトパッケージもオプションで用意される。

911 GT3、911 GT3ツーリングパッケージは、いずれも7速PDKと6速マニュアルが設定される。ステアリングは左右選択が可能で、価格はともに2814万円。

GT3オーナーのみが購入可能な911 GT3クロノグラフと911 GT3ツーリングクロノグラフも登場

ポルシェジャパンでは、新型911 GT3および911 GT3ツーリングパッケージの予約受注を2024年内に開始する予定である。

(Text by Satoshi Ubukata)