ポルシェAGは1月12日、2023会計年度に堅調な成長を遂げ、販売台数もわずかに増加。過去12ヶ月間に前年比3%増の合計320,221台を販売と発表した。

ポルシェAGのセールスおよびマーケティング担当取締役のデトレフ・フォン・プラテン氏は「世界経済が不安定な時代にあっても、当社のブランドは依然として魅力的かつ独占的であり続けます。昨年は特に、最大の販売地域において非常にバランスの取れたポジションにあったことが功を奏しました。この調和のとれた市場分布を今後も最適化していきます」と述べている。

〔以下、ポルシェジャパン追記〕日本国内における2023年新規登録台数は過去最高の8,002台(前年比11.2%増)を記録。主な要因は、サプライチェーン復旧による車両の安定供給、911をはじめとする2ドアスポーツカーの継続的な好調、さらにTycanが過去最高の年間新規登録台数を達成したことなどが挙げられる。 <数値は日本自動車輸入組合および日本自動車販売協会連合会調べ>

海外販売地域のさらなる成長

昨年、ヨーロッパ(ドイツを除く)では前年比12%増の70,229台を販売。ドイツ国内の販売台数は10%増の32,430台となった。また北米の販売台数は86,059台(前年比9%増)となり、2023年の最大の販売地域となった。

さらに、中国は79,283台(15%減)であった。この減少は主に、厳しい経済状況によるものとされる。海外および新興市場の販売地域は引き続き好調であり、販売台数は16%増加、昨年は合計で52,220台を納車した。

911はもっとも人気のあるモデルのひとつ。Taycanも2桁の伸びを記録

911は2023年に全モデルライン中で24%増の最大の増加率を記録し、世界中で50,146台を納車した。また、Taycanも2桁の伸びを記録し、40,629台を販売した(17%増)。

納車台数がもっとも多かったモデルはCayenneで、87,553台(8%減)だった。前年比で減少しているのは、4月の新世代の市場発売以来、世界中での段階的な発売時期や、ハイブリッドモデルのソフトウェアアップデートなど、モデルチェンジによるもの。Macanは、前年と同レベルの87,355台を販売。Panameraはライフサイクルの最終年に34,020台を納車し、11月に初公開された新型Panameraは2024年から販売予定。718 Boxterと718 Caymanの販売台数は20,518台(13%増)であった。

2024年を見据えて、フォン・プラテン氏は「当社は将来に向けて布石を打っており、6つのモデルシリーズのうち4つをアップデートしています。つまり、これまでよりも1年間により多くの製品を段階的に発売することになります。」セールスおよびマーケティング担当取締役も、中国の市場状況は引き続き厳しいものになると予想しています。「したがって、販売構造のバランスを保ち、海外地域、特にASEAN市場を強化し続けることが重要です。2024年は、これまで以上に価格重視の発展と安定した販売水準に注力していきます」と述べている。

(Text Toru Matsumura)