ポルシェがGT3ツーリングにダイエットを課してヘリテージシリーズの新モデルを発表する。911 ST(992)は、1970年代の特別な911にオマージュを捧げたモデルだ!

ポルシェのヘリテージファミリーに新たな仲間が加わる。歴史的なデザインを採用した「911タルガ4Sヘリテージデザインエディション」と「911スポーツクラシック」に続き、ポルシェは「911 ST」を世に送り出す。

※この記事は「Auto Bild JAPAN Web」より転載したものです。

新エディションのベースとなるのは、4リッター自然吸気ボクサーエンジン(510馬力、最大トルク470Nm)を搭載する「911 GT3ツーリング」となる可能性が高い。しかし、ポルシェが「スポーツクラシック」のようにスポーツクーペにもう少しパワーを与えるのか、それともツーリングの性能にこだわるのかはわかっていない。

1,400kgを切る車両重量

しかし、1972年に製造された特別なレーシングモデルを考慮すると、新型「911 ST」はダイエットされる可能性が高い。マニュアルギアボックスを搭載したプラットフォームドナーの車両重量は約1,418kgだが、新型はさらに数キログラム軽量化され、約1,360kgになる可能性が高い。しかし、マニュアルの6速ギアボックスが用意されるかどうかは今のところ不明で、代わりにデュアルクラッチ(PDK)もありえる。

軽量化により、走行性能の向上が期待される。現行の「GT3ツーリング」は、PDKの場合、完全停止状態から時速100km/hまで3.4秒、マニュアルギアボックスの場合は3.9秒である。そして、この数値は若干下方修正されるはずだ。また、最高速度もわずかに向上する可能性があり、最高時速320km/hを超えることも十分に考えられる。

スポーツクラシックのダブルバブルルーフを採用

しかし、革新は重量と走行性能だけにとどまりそうにない。例えば、「911 ST」にはスポーツクラシックのいわゆるダブルバブルルーフやクラシカルなドアハンドルが採用され、リアではヘリテージの文字が入った円形のロゴが目を引く。他の「GT3」モデルと同様、大型のリアディフューザーと、その下部に中央配置されたエグゾーストシステムが採用される可能性が高い。

新型「911 ST」がどのような外観を持ち、どの駆動方式を採用するのかは、後日明らかになるだろう。年末に向けて、この特別モデルは厳密に限定された台数でディーラーに並ぶはずだ。現行の「911 GT3ツーリング」は19万3000ユーロ(約3,000万円)からとなっている。

(Text by Sebastian Friemel / Photos by AUTO BILD)