ポルシェジャパンは、6月3日(土)から4日(日)の2日間、ポルシェ75周年を記念したアジア最大のポルシェコミュニティイベント「ポルシェフェスティバル」を、ポルシェ・エクスペリエンスセンター東京(千葉県木更津市、以下PEC東京)にて開催と発表した。

ジャパンプレミア、新型911ダカール

台風2号の影響にも関わらず2日間で、のべ3,019人(初日:1,381人、2日目:1,638人)のポルシェファンとオーナーが、618台(初日:278台、2日目:340台)のポルシェが訪れたことを発表した。

イベントの冒頭には、ポルシェジャパンの代表取締役社長フィリップ・フォン・ヴィッツェンドルフ氏が登壇し「ポルシェスポーツカーの誕生から75周年を皆さまと一緒に祝福することができ、本当にうれしく思います。わたしが社長に就任して1年近くですが、日本のポルシェファンの皆さま方がいかに熱いハートをおもちであるか、そしてオーナーの皆さまが強い愛情をおもちであるかを実感しております。特に日本には素晴らしい状態のクラシックカーがたくさんあります。これは日本市場の特長の一つであると思います。日本においてポルシェのブランドは非常に長い歴史があります。ポルシェジャパンはさらにこの歴史と伝統を育んでいく活動を今後も継続してまいります」とコメントした。

ポルシェジャパンの代表取締役社長フィリップ・フォン・ヴィッツェンドルフによるオープニングスピーチ

ステージイベントでは、新型911ダカール、そして新型カイエンをジャパンプレミアとして初披露。プレゼンテーションに使用したモデル解説ムービーは、自動車雑誌「CG(カーグラフィック)」の世界感を映像で表現した長寿番組「カーグラフィックTV」の制作チームとの協働によるもの。音楽プロデューサー・松任谷正隆氏によるオープニングテーマ曲「THE THEME OF WINNER」にはじまり、声優・古谷徹氏のナレーションによって構成された番組さながらの映像によって、歴代のポルシェ911や911ダカールのルーツでもあるポルシェ953のヒストリー、そして3世代にわたるカイエンのモデルの変遷などを紹介し、ファンを喜ばせた。

4日(日)のジャパンプレミアには、サプライズゲストとして、元F1ドライバーであり、1982年にグループCのポルシェ956を操り、ルマンで6度目の優勝を果たした伝説のドライバー、ジャッキー・イクス氏が来日。1981年からはラリーへの参戦も行っており、自身が開発テストにも従事したポルシェ953は、1984年に総合優勝を達成。また自身も他ブランドながら、1983年に優勝している他、ルマン24時間レースとパリ-ダカールラリーの両方を制したのは、いまなおジャッキー・イクス氏のみである。

登壇するデトレフ・フォン・プラテン氏とジャッキー・イクス氏とフィリップ社長

スピーチ後、イクス氏はフィリップ・フォン・ヴィッツェンドルフ氏の求めに応じて、911ダカールのボンネットにサインを行った。この車両は今後、ポルシェジャパンの広報車両として各メディアに貸し出しされる予定だという。

911ダカールへサインするジャッキー・イクス氏

この車両は今後、ポルシェジャパンの広報車両として各メディアに貸し出しされる予定

また、ドイツ本社より来日した、ポルシェAG セールスおよびマーケティング担当取締役デトレフ・フォン・プラテン氏が登壇し「この日本でファンの皆様と一緒にポルシェの75周年を祝うことができて大変嬉しく思います。ドイツのシュトゥットガルト、それからバイザッハにおいて、この伝統あるクルマとその未来をカタチづくるために、私たちは日々努力をしております。ポルシェというブランドが過去の伝統のみならず、未来に向けてビジョンをしっかりと実現できているということを、今日この場に集まっている皆さまが証明してくださっています。PAGを代表して、お約束したいと思います。皆さまがガレージを拡張しなければいけなくなるほどたくさんの魅力的なモデルを、これからもローンチし続けたいと思います。電動化も積極的に進めていきます」と述べた。

右から、デトレフ・フォン・プラテン氏、ジャッキー・イクス氏、フィリップ社長

さらに、自身の1955年製「ポルシェ356 スピードスター」を、日本の“侘び寂び”によってアレンジした作品プロジェクト「356 Bonsai」などで知られるアーティストのダニエル・アーシャム氏が、新作「RWBA」のワールドプレミアを行った。

ダニエル・アーシャム氏によるRWBA

「RWBA」は、日本のポルシェチューナー、ラウヴェルト・ベグリフ(RWB)とのコラボレーションによるもの。ポルシェ911(タイプ964)をベースに、エクステリアはフラットノーズとしカラーはオールホワイトに、インテリアは全面アーシャム グリーンのレザーとなっている。「Fictional Archeology (フィクションとしての考古学)」という概念のもとにアートや建築を手掛けることで知られる同氏のこの作品は、段差や継ぎ目のない、シンプルでクリーンな仕立てとなっている。

ダニエル・アーシャム氏とRWBA

アーシャム氏は、日本の自動車文化への造詣が深く、『湾岸ミッドナイト』や『彼女のカレラ』といった漫画など日本のストリートカルチャーからのインスピレーションを得ているという。この日は、アーシャムの大ファンであり、『彼女のカレラ』の作者である麻宮騎亜(アサミヤ キア)氏による、「RWBA」を題材とした4Pの漫画もパネルにして公開。また、同時に『彼女のカレラ』に登場する3人の主人公をモチーフにしたラッピングカーの車両展示も行った。

麻宮騎亜氏とダニエル・アーシャム氏

イベント両日には、ポルシェオーナーやポルシェファンが交流することを目的としたミートアップスタイルのイベント「ポルシェガレージ」も併催。これまで東京、京都、富士スピードウェイと、3度実施しており、全国各地から集結したオーナー自慢のポルシェをテーマ別に選考し、賞を発表するもの。

ポルシェガレージ車両展示

今回のテーマは主催者であるポルシェジャパンが選ぶ「エキサイティング/パフォーマンス/ヘリテージ」の3部門と、観客投票によって選ぶ「パッション/カラフル」の2部門の計5部門を設定。2日間にわたり10台の受賞車が選ばれた。

さらにポルシェAGが監修するメディア「Type 7」の編集長テッド・グシュー氏が来場。

生沢徹氏とテッド・グシュー氏

リアルな本の制作を不定期に発行しており、4月26日に発売された第4号では、日本の伝説のレーシングドライバー、生沢徹氏の特集記事が組まれており、グシュー氏の来日を機に生沢氏との対談が実現。世界限定2,000部という希少な本の販売、サイン会などが実施された。

その他、Shōtaro Aoyama、Licaxxx、RHYME SO、アバンギャルディといったゲストパフォーマーを迎え、ポルシェフェスティバルを盛り上げた。

(Text Toru Matsumura)