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イレブンがトゥエルブに変わる……これが「Porsche 911 Carrera 4 GTS」の走りだ。完璧な911を求めて、911 GTSが誕生した。Carrera 4よりもはるかにシャープで、Turboよりもはるかに軽快な走りを実現している。

※この記事は「Auto Bild JAPAN Web」より転載したものです。

911 GTSには、考えうるすべてのバリエーションが用意されている

新型「911 GTS」は、そのシャープなシートメタルの下に、われわれがPorscheを愛するすべてを兼ね備えている。

3Lフラット6はCarreraとは一線を画す480PSを発揮し、10mm低いスポーツサスペンションはターボの流れを汲む。アクティブサスペンションとスポーツエグゾーストシステムを標準装備し、リヤアクスルのメインスプリングは常にリヤエンドのレスポンスが自然に得られるようになっている。テストを前にわれわれも正直緊張(興奮)している。

さあ、さっそく出発しよう。

Porscheが我々のために用意してくれたのは、“フルハット(full hut)”モデルだった。

今回試乗したのは、4WDと軽量化パッケージ、さらにセラミックブレーキとカーボンルーフを装備し、全輪操舵システムと8速デュアルクラッチを採用したモデルということになる。

911 GTSには、考えられるほぼすべてのバリエーションが用意されている。つまりクーペ、コンバーチブル、タルガ、マニュアル車、RWD車(タルガにはない)など、何でも揃っているということだ。

911 GTSはレーストラックでも一切妥協しない。完璧に近いカーボンファイバー製のバケットシートは、いつものように絶妙にフィットする。

背もたれの角度があと数度変えられると、ドライバーはさらに満足するだろうが、それはまさに個人個人それぞれの好みだ。

そして、エンジンの回転が上がるとすぐに忘れてしまう。

リヤアクスルステアリングを採用したことで、911はさらにダイナミックになった

軽量化パッケージは、リヤシートをなくすだけでなく、ドライバーは前述のバケットシートを楽しむことができ、バッテリーやウィンドーには、軽量素材が使われ、フロントアンダーボディは空力的に最適化されている。

これにより、合計25kgの軽量化を実現している。ステアリング機構によりリヤアクスルのが7kg重くなったことは、逆効果のように思えるが、サーキットではGTSをかなり軽く見せている。4周の走行を終えて、われわれは非常に感銘を受けた。911 GTSは、締め上げられたシャシーと、素直な出力の最適な組み合わせを見事に実現している。

この911は、パワーのために、これ以上走れないというような感覚はなく、しかもあらゆる状況で十分すぎるほどのパンチ力がある。

レーンチェンジを素晴らしく直感的に行うことができ、高速コーナーではブレーキを介してリアエンドを調整しても、不安を感じることはない。

911 GTSには、450PSの911 Carrera Sの価格に、さらに17,000ユーロ(約226万円)のプレミアムをつける価値が十分あると感じる。

テクニカルデータ:Porsche 911 Carrera GTS

● Engine:水平対向6気筒ツインターボ、リヤ縦置き ● 排気量:2891cc ● 最高出力:480PS@6500rpm ● 最大トルク:570Nm@2300rpm ● 駆動方式:4WD、8速PDK ● 全長×全幅×全高:4533×1852×1303mm ● 乾燥重量:1595kg ● 最高速度:309km/h ● 0-100km/h加速:3.3秒 ● 平均燃費:9.2km/L ● 価格:148,835ユーロ(約1,980万円)

結論:AUTO BILDテストスコア=1-

派手なトリムや新しいホイールなど、911 GTSは見た目にも魅力的だが、運転すると本当に魅力的な車になる。技術的にも、運動性能でも、ダイナミックにも、感情的にも、退屈しない。Carrera Sを簡単に凌駕する。

(Text by Alexander Bernt / Photos by Porsche AG)

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