2021年5月10日、ポルシェAGは電気自動車となる次期型「マカン」のプロトタイプが、テストのために現実の道路を走り始めたことを明らかにした。
2023年にデビューが予定されている次期型マカンは、アウディと共同開発したプレミアムプラットフォームエレクトリック（PPE）を採用する電気自動車版が準備されている。
現在、その開発の真っ只中で、ヴァイサッハのポルシェ開発センター性能試験場で初期テストを終えたプロトタイプが、ポルシェの施設から飛び出し、今後現実の世界で約300万kmのテストが行われる。
プロトタイプを製作するにあたっては、デジタルの世界でバーチャルなプロトタイプが複数つくられ、エアロダイナミクス、エネルギー管理、オペレーション、サウンドなど、多くの開発カテゴリーでのシミュレーションが行われてきた。
デジタルのプロトタイプは新しいディスプレイおよびオペレーティングコンセプトの開発にも重要な役割を果たしている。シートボックスによりドライバーの環境を再現することで、ヒューマンインターフェースを評価することを可能にしている。
リアルワールドで得られたデータは、デジタルの世界に反映され、効率的な開発に貢献。取締役のミヒャエル・シュタイナー氏は、「タイカンと同様に800Vアーキテクチャーを備えたフル電動モデルとなる次世代マカンは、ポルシェ特有のE-パフォーマンスを提供します。次世代マカンは、セグメントで最もスポーティーなモデルになるでしょう」と述べている。
なお、ポルシェは2021年内に現行型マカンのマイナーチェンジを行い、2023年には電気自動車版とエンジン搭載の新型マカンが揃って登場する予定である。
(Text by Satoshi Ubukata)