ポルシェでは、10年以上前に量産が終了した車両をクラシックポルシェと位置づけています。生産されたクルマの7割以上が現役というポルシェだけに、クラシックポルシェを気持ちよく乗り続けられるようにとの思いから「ポルシェ クラシック」によりオーナーをサポートしています。
ポルシェ クラシックでは、「356」から996型911、そして「カレラGT」まで幅広いモデルを対象に、メインテナンスや修理を行っています。そのために、当然純正パーツの供給にも力を入れています。
日本では、「ポルシェ センター青山 世田谷認定中古車センター」「ポルシェ センター名古屋」「ポルシェ センター横浜青葉 認定中古車センター」がポルシェ クラシックパートナーとしてクラシックポルシェを受け入れています。
そのひとつ、日本で初めてポルシェ クラシックパートナーに認証されたポルシェ センター青山 世田谷認定中古車センターに912を持ち込んで、「The Rally - Amazing Moment -」を走れるコンディションかどうかをチェックしてもらうことにしました。
この日は撮影の許可を得てワークショップを覗くことができました。すると、複数の356をはじめ964型911や993型911など、たくさんのクラシックポルシェが視界に入ってきました。
これらの整備にあたるのは、クラシックポルシェ専任のスタッフ。今回は「ミツワ自動車」の時代から約40年にわたりポルシェに携わってきたベテランメカニックの高田 敦さんが912をチェック。とくに"ナロー"に強いということで、その腕を見込んで、遠方からクルマを持ち込むオーナーもいるそうです。
さっそく、クルマをリフトアップしてコンディションチェックを開始! 912オーナーのYは、クルマの購入後、路上で止まらないよう最低限のメインテナンスをしていますが、プロの目にはどう映るでしょうか?
高田さんは手際よく各部をチェックし、その状態やオリジナルとの違いなどを説明してくれます。
長い目で見ると、部品の交換や修理すべき箇所がいくつか見つかりました。さしあたりイベントに参加するうえで気になったのが、フロントのハブのガタつき。その場でさっそく調整します。
残りは、イベントが終わったあと、高田さんをはじめとるするスタッフと相談しながら、作業を進めていこうと考えています。
ひととおりチェックが終わったところで、エンジンとギヤボックスのオイルを交換します。
エンジンオイルは、純正のクラシックモーターオイルを4L注入。オイル缶のデザインが素敵です(笑)
さらに、ブレーキフルードも交換しました。
作業後、912に乗って帰ったオーナーによれば、入庫前に比べて運転しやすくなったと語っています。これで、「The Rally - Amazing Moment -」に安心して出場できるはず。
なお、途中のエンジンオイル消費に備えて、携行用の1L缶とバッグ(写真左)を購入。シックなデザインがオーナーのハートをくすぐるようです(笑)
ところで、「The Rally - Amazing Moment -」を目前に控え、5月26日、27日には事前説明会が開かれました。次回はその模様をお伝えします。
(Text & Photos by S.Ubukata)