2026年10月28日、Audiはは、F1プロジェクトのパワーユニット開発・製造を担うAudi Formula Racing GmbH(AFR)の新CEOに、トーマス・フール(Thomas Fuhr)氏を任命したと発表した。就任は11月1日付。メルセデスAMGのF1エンジン部門で要職を務めた経験を持つフール氏を迎え、F1プロジェクトの経営体制を強化する。
AFRは、ドイツ・ノイブルク・アン・デア・ドナウに拠点を置く、AudiのF1プロジェクトのために2022年に設立された企業だ。F1マシンに搭載するエンジンやハイブリッドシステム、ギヤボックスを含むパワートレイン全体の開発・製造を担当している。
今回の人事は、AFRの経営体制を強化するとともに、技術開発と事業運営の役割をより明確にすることが狙いだ。
新CEOのフール氏は、30年以上にわたってエンジニアリングと企業経営に携わってきた人物で、2009年から2012年には、メルセデスAMGのF1パワーユニット開発を担うMercedes-AMG High Performance Powertrainsのマネージングディレクターを務めた。
その後はGROHEやLIXILで経営幹部を歴任。直近ではGeorg Fischer Building Flow Solutionsの最高技術責任者(CTO)を務め、研究開発から生産、事業運営、技術革新まで、国際的なエンジニアリング組織を率いてきた。
フール氏の就任により、AFRのCTOを務めるステファン・ドライヤー氏は、F1パワーユニットの技術開発に専念することになる。また、最高執行責任者(COO)のクリスチャン・フォイヤー氏は、引き続きノイブルク拠点の運営を統括する。
Audi AGの最高財務責任者(CFO)であり、AFRの株主総会議長を務めるユルゲン・リッタースベルガー氏は、今回の人事について次のように述べている。
「AudiのF1プロジェクトは長期的な戦略的取り組みであり、組織と経営体制を継続的に発展させることが、私たちの目標を達成するうえで欠かせません。今回の人事によって、AFRで構築してきた体制がさらに強化されます。トーマスをチームに迎えることを大変うれしく思いますし、AudiのF1プログラムのさらなる発展に重要な貢献をしてくれると確信しています」
また、Audi Revolut F1 TeamのCEO兼チーム代表を務めるマッティア・ビノット氏も、フール氏への期待を示した。
「私たちはノイブルクで強固な基盤を築き、Audi初のF1パワーユニットをゼロから開発してきました。トーマスは技術的な課題を理解しているだけでなく、高い能力を持つチームをつくり、率いるために何が必要かを熟知しています。チームと組織をさらに発展させ、私たちがF1で最高のマニュファクチャラーになるために、重要な役割を果たしてくれると確信しています。彼をチームに迎えるのがとても楽しみです」
新CEOに就任するフール氏は、次のように抱負を語っている。
「AudiのF1プロジェクトに参加できることを誇りに思います。F1におけるAudiの未来を形づくる仕事に携われることは、非常に魅力的な機会です。ノイブルクのチームは、まったく新しいパワーユニットを開発し、実際にサーキットで走らせるところまで成し遂げました。私はその成果を土台に、組織全体の専門知識を結集し、最高レベルで戦うための環境を整えたいと考えています。マッティア、クリスチャン、ステファン、そしてチーム全員と仕事ができることを楽しみにしています」
Audiは2026年からワークスチームとしてF1に参戦しており、プロジェクトはドイツ、スイス、英国の3拠点を中心に展開している。
ドイツのノイブルクではAFRがパワーユニットを開発・製造し、スイスのヒンウィルではAudi Revolut F1 Teamがシャシー開発やレース活動を担当。さらに英国ビスターのテクノロジーセンターが、F1の専門人材や技術パートナーとの連携を支えている。
ノイブルクの開発施設には、約3000平方メートルの新棟が増設され、専用のワークショップや研究施設に加え、20基以上のエンジンおよびコンポーネント用テストベンチが設置されている。
2026年にF1参戦を開始したAudiにとって、独自開発のパワーユニットはプロジェクトの中核をなすものだ。メルセデスAMGでのF1エンジン事業の経験と、国際的な製造業で培った経営手腕を持つフール氏の加入は、長期的な競争力の強化に向けた重要な一歩となりそうだ。
(Text by 8speed.net Editorial Team / Photos by AUDI AG)
※本記事はプレスリリースをもとに、一部AIツールを活用して作成。編集部が専門知識をもとに加筆・修正を行い、最終的に内容を確認したうえで掲載しています。