2026年10月2日、Audiは、新型「Audi A6 allroad」に採用する4WDシステム「quattro ultra」の詳細を発表した。新型Audi A6 allroadには、3.0L V6 TDIとプラグインハイブリッドのe-hybridが用意され、いずれも効率を重視したquattro ultraを採用する。

Audi A6 allroadは、A6 Avantをベースに高い悪路走破性を与えたクロスオーバーモデルだ。新型では3.0L V6 TDIにMHEV plusと電動コンプレッサーを組み合わせたモデルに加え、A6 allroadとして初めてプラグインハイブリッドのe-hybridを設定した。

ドイツでの価格は、6気筒ディーゼルモデルが7万7250ユーロから、プラグインハイブリッドが8万250ユーロからで、すでに欧州のAudiディーラーで販売が始まっている。

必要なときだけ後輪を駆動するquattro ultra

新型Audi A6 allroadの特徴のひとつが、quattro ultraと呼ばれる4WDシステムだ。

quattro ultraでは、トランスミッション出力側に電子制御式多板クラッチを配置するとともに、リヤアクスルのディファレンシャルにも切り離し用クラッチを備える。4WDが必要ないと判断すると、この2つのクラッチを開放。プロペラシャフトを含むリヤ側の駆動系を一時的に切り離し、摩擦や引きずり抵抗を低減する。

つまり、通常走行では前輪駆動の効率性を生かしながら、必要な場面では4WDのトラクションや走行安定性を利用する仕組みだ。

ただし、タイヤが滑り始めてから4WDに切り替えるわけではない。システムはステアリング舵角やアクセル操作、トランスミッションの状態、前後・左右方向の加速度、車体の動き、路面の摩擦係数などを常時監視。さらにドライバーの運転傾向やAudi drive selectの設定も考慮し、約0.5秒先の状況を予測して4WDが必要かどうかを判断する。

切り離されていた駆動系を同期させ、リヤアクスル側のクラッチを接続するまでに必要な時間は約200ミリ秒。発進時やコーナリング時、強い加速を行う場合、摩擦係数の低い路面を走行する場合などでは、タイヤがスリップする前に4WDへと移行する。

Audiの技術開発担当取締役であるルーヴェン・モールは、「4WDシステムの作動モードが切り替わっても、ドライバーがそれを意識することはありません。どんな状況でも感じられるのは、quattroならではのトラクションと走りです」と説明している。

最大70%以上のトルクを後輪へ

前輪駆動で走行しているときは、駆動トルクの100%がフロントアクスルに伝えられる。一方、走行状況に応じて電子制御式多板クラッチを接続するとリヤにもトルクが配分され、その割合はトラクションや走行性能、快適性などを考慮して制御される。

強く加速する場面ではリヤへのトルク配分を大幅に増やすことが可能で、Audiの社内測定によれば、乾燥路でも70%を超えるトルクを後輪に伝えることがあるという。

quattro ultra自体は2016年にAudi A4 allroad quattroで初採用された技術で、現在ではPPC(Premium Platform Combustion)をベースとするAudi A5、Audi A6、Audi Q5などにも採用されている。

Audiがquattroを初めて世に送り出したのは1980年。それから40年以上にわたって4WD技術を進化させ、これまでにquattroを搭載したAudi車は累計1560万台以上に達した。これは1980年以降に生産されたAudi車のおよそ3台に1台にあたる。

新型Audi A6 allroadでは、4WDならではのトラクションや走行安定性を維持しながら、4WDを必要としない場面では駆動抵抗を抑えるquattro ultraを採用することで、allroadらしい走破性と効率の両立を図っている。

なお、ドイツ仕様のAudi A6 allroad TDI quattroは最高出力220kWで、燃料消費率は5.8〜6.4L/100km。Audi A6 allroad e-hybrid quattroは最高出力270kWで、重量加味平均の燃料消費率は2.3〜2.8L/100km、電力消費率は16.2〜17.0kWh/100kmと発表されている。日本への導入については、現時点で明らかにされていない。

(Text by 8speed.net Editorial Team / Photos by AUDI AG)
※本記事はプレスリリースをもとに、一部AIツールを活用して作成。編集部が専門知識をもとに加筆・修正を行い、最終的に内容を確認したうえで掲載しています。