2026年1月8日、Audiと中国・上汽集団(SAIC)の協業プロジェクトから生まれた「AUDI」ブランドの第1弾モデル、「AUDI E5 Sportback」が、2026年中国カー・オブ・ザ・イヤーに選出された。

このアワードは、中国市場で販売される新型車の中から、技術革新性や商品力、市場への影響力などを総合的に評価して選ばれるものだ。新設ブランドの第1号車が、デビューからわずか1年で同賞を獲得するのは異例とされており、AUDI E5 Sportbackが中国市場で強い存在感を示していることを裏付ける結果となった。

中国市場に特化した「AUDI」ブランドの戦略

AUDIブランドは、従来のAudiとは異なる中国専用のプレミアムEVブランドとして2024年11月に上海で立ち上げられた。背景には、中国のEV市場が急速に高度化し、デジタル体験やコネクテッド機能を重視する若い世代の存在感が増していることがある。Audiはこれに対応するため、従来のグローバル戦略とは別に、中国市場に最適化したブランドと商品開発体制を構築した。

AUDI AGのCEOであるゲルノート・デルナー氏は、今回の受賞について、中国では2つの強いブランドを展開し、現地のイノベーションと深く統合するという独自のアプローチが正しかったことを示すものだとコメントしている。電動化と知能化を軸とした変革が、世界で最も競争の激しい市場において着実に成果を上げているとの認識を示した。

「AUDI E5 Sportback」の特徴と商品力

AUDI E5 Sportbackは、4ドアのフル電動ファストバックモデルで、ダイナミックなプロポーションと先進的なデザインを特徴とする。パワートレインは4種類が用意され、後輪駆動とquattroを選択可能。最高出力は最大579kWに達し、0-100km/h加速は最短で3.4秒という高性能を誇る。航続距離は最大770kmとされ、日常使用から長距離移動まで幅広く対応する。

プラットフォームには、新開発のAdvanced Digitized Platform(ADP)を採用。次世代コネクテッド機能や車両全体のOTA(無線)アップデートに対応し、中国市場で求められる高度なデジタル体験を実現している点が特徴だ。インテリアでは厳選された素材によるプレミアムな質感と、静粛性の高いキャビン空間が重視されている。

安全面でも、先進運転支援システムを全グレードに標準装備するなど、妥協のない仕様が採られている。こうした点が、デザイン、走行性能、品質、安全性という4つの柱として評価され、今回の受賞につながったとされる。

中国市場での展開と今後のモデル計画

AUDI E5 Sportbackは、2025年4月の上海モーターショーで量産モデルとして初公開され、同年8月には上海の専用インテリジェント生産拠点で生産が開始された。受注は生産開始と同時にスタートし、9月に正式な市場投入、顧客へのデリバリーが始まっている。

さらにAUDIブランドは、2025年11月の広州モーターショーで「AUDI E SUVコンセプト」を披露し、プレミアム電動SUVセグメントへの本格参入を予告した。このコンセプトをベースとした量産モデル「AUDI E7X」は、2026年の市場投入が予定されており、ラインアップ拡充によって中国での存在感を一段と高める狙いだ。

中国EV市場における意味合い

中国は世界最大のEV市場であり、国内外メーカーが激しい競争を繰り広げている。その中で、既存のAudiブランドとは別軸の「AUDI」を立ち上げ、デザインやデジタル体験を現地ニーズに最適化した点は、Audiグループにとって大きな戦略転換といえる。今回の中国カー・オブ・ザ・イヤー受賞は、その方向性が市場と専門家双方から支持された結果といえるだろう。

AUDI E5 Sportbackは、単なる新型EVという枠を超え、中国市場におけるAudiグループの次世代戦略を象徴する存在となっている。今後、SUVを含む新モデルがどのように評価され、ブランドが定着していくのか注目される。

(Text by 8speed.net Editorial Team / Photos by AUDI AG)
※本記事はプレスリリースをもとに、一部AIツールを活用して作成。編集部が専門知識をもとに加筆・修正を行い、最終的に内容を確認したうえで掲載しています。