Audiは「A2」を電気自動車として復活させるのだろうか。「A2」に非常によく似たプロトタイプのテスト車が目撃された。
※この記事は「Auto Bild JAPAN Web」より転載したものです。
Audi A2 e-tron……果たしてAudiはAudi A2を電気自動車として復活させるのだろうか。現在、AudiはAudi A2に非常によく似た新モデルをテストしている。20年以上ぶりに、電気自動車としてニューモデルが登場する可能性がある。
多くの自動車愛好家は、2000年頃に製造されたAudi A2はその時代を先取りしていたと考えている。この小型車はおよそ6年間の製造期間で生産が終了した。購入者が少なすぎたためである。
その理由としては、アルミボディをまとい空力的に最適化されたデザインが、当時の他モデルとまったく調和していなかったことが考えられる。しかし今ではAudi A2はカルト的な存在となり、Audiファンだけでなく多くの愛好家から支持されている。
2024年の終わりになって、研修生が製作したモデルがオリジナルのAudi A2に現在のAudiの電気自動車の要素を取り入れた外観を提示した。そしていま、Audiはこの小型車を完全にリニューアルする可能性がある。なぜなら、プロトタイプハンターたちがAudi A2の形状を強く彷彿とさせるプロトタイプをアルプスで撮影したからだ。
これらの特徴はA2を彷彿とさせる
短いフロントフード、フラットなフロントガラス、Audiとしては珍しい非常に丸みを帯びたリヤ、そしてAudi A2を強く連想させるルーフエッジスポイラーが、一目でわかる特徴だ。さらに、現在のAudiモデルに見られる要素も取り入れられている。そのひとつが、この車が電気自動車であることを示すグリルマスクである。
ヘッドライトは2分割されている。細長いデイタイムランニングライトはかなり高い位置に配置されており、その特徴的なデザインは小さな四角形の集合で構成されているようだ。リヤには横一文字に連続したライトデザインが採用されている。
このクルマのフォルムは現在のラインアップのどのモデルにも一致しない。しかし、まったく見慣れないものでもない。側面を見ると、この車のプロポーションは「VW ID.3」を強く彷彿とさせる。Audiは親会社のMEB電気自動車を独自に改良したモデルを投入するのだろうか。Audi A2という名称が採用される可能性も排除できない。
A1とQ2の後継車?
Audiのゲルノート・デルナー最高経営責任者は英「Autocar」誌の取材に対し、同社がエントリーレベルの電気自動車を開発中であることを明らかにした。将来的にはAudiのラインアップで最小の車種となる見込みだ。「Audi A1」と「Audi Q2」は2026年に生産終了となる予定である。
A2 e-tron はquattroとして登場か
EV版Audi A2には、1基または2基の電動モーターを搭載した複数の駆動バリエーションが想定される。トップモデルはquattroとなるだろう。また、さまざまな容量のバッテリーが用意され、最大500kmの航続距離が可能となる見込みだ。急速充電にももちろん対応するはずである。
現時点では、カモフラージュフィルムの下に何が隠されているのかは不明だ。その答えが明らかになるのは早くても2026年だろう。市場投入は2027年と予想されている。
結論
Audi A2は現在では伝説的な存在だが、販売が成功したとは言い難い。しかし電気自動車として、いまこそその時代が到来したのかもしれない。
(Text by Katharina Berndt / Photos by Automedia)