Audiが9月初旬にミラノで初公開し、その後IAAミュンヘンでも展示したコンセプトカー「Audi Concept C」は、ブランドの新しいデザイン哲学を体現する電動ロードスターだ。それは、将来の量産スポーツカーを予告するものであり、デザイン、技術、知性、そして感情を融合したAudiの新時代の幕開けを告げている。
「4つの原則」で描く新時代の造形
Audi Concept Cは「明快さ(Clarity)」「感情(Emotion)」「技術的卓越性(Technical Excellence)」「知性的デザイン(Intelligent Design)」という4つの原則に基づく新しいデザイン言語の最初の具現化である。Audiはこの哲学を通じて、これまで以上にピュアで感情的な表現を追求。量産車にも通じる造形を提示した。
エクステリアは、クリーンな面構成と均整の取れたプロポーションで構成され、開放的なオープントップデザインながら、クーペのようなエレガンスを備える。公道走行が可能であり、実際に走らせることのできるコンセプトカーとして設計された点も特筆される。量産モデルでも、オープンエアの爽快さとハードトップの優雅さを両立させるという。
技術と感性を融合したインテリア
インテリアは、素材と色彩の巧みな組み合わせによって上質な空間を演出。視覚・触覚・聴覚を刺激する体験型デザインが採用されている。各スイッチやコントロールには高精度なメカニカルフィールが与えられ、クリック音は「Audiクリック」と呼ばれる独自の音質を持つ。
ステアリングホイールやセンターコンソールには触覚式の操作デバイスを採用し、操作系の明快さと精密さを両立。デジタル要素はあくまで補助的に配置され、必要なときにのみ情報を表示する“控えめなテクノロジー”がテーマとなっている。格納式の10.4インチディスプレイは、使用時にのみ姿を現し、インテリアの静寂と整然さを保つ。
歴代スポーツモデルの精神を継承
AudiのデザインDNAには、常に革新と大胆な挑戦が息づいてきた。Audi Concept Cの背景には、歴代の象徴的モデル──「Audi TT」「Audi R8」、2004年登場の「Audi RS 6(C6)」、さらには往年の「Auto Union Type C」レーシングカーなどがある。これらの名車に共通するのは、技術的先進性と情熱的なデザインの融合であり、Audi Concept Cはその系譜を継ぐ存在として位置づけられている。
新時代への橋渡しとなるロードスター
Audi Concept Cは単なるデザインスタディではなく、将来登場する量産電動スポーツカーへの直接的な布石である。Audiは電動化とデジタル化を軸にプレミアムモビリティの未来像を描いており、本モデルはそのビジョンを最も感情的な形で体現した一台といえる。パワートレーンの詳細は明かされていないものの、「卓越した走行ダイナミクス」を備えたオールエレクトリック・スポーツカーとして開発が進められていることが示唆されている。
Audi Concept Cは、Audiが提唱する「新しい明快さ(New Clarity)」の象徴として、ブランドの次なるデザイン時代を方向づける存在となる。かつてAudi TTが1990年代にAudiデザインの新章を開いたように、Audi Concept Cは電動化時代のAudiの新たな出発点となるだろう。
(Text by 8speed.net Editorial Team / Photos by AUDI AG)
※本記事はプレスリリースをもとに、一部AIツールを活用して作成。編集部が専門知識をもとに加筆・修正を行い、最終的に内容を確認したうえで掲載しています。