2025年6月16日、AUDI AGは3代目となる新型「Audi Q3」を発表した。
2011年の登場以来、全世界で200万台以上が販売されたAudiのプレミアムコンパクトSUV「Audi Q3」がフルモデルチェンジにより3代目に進化した。
エクステリアでは、ワイドな8角形のシングルフレームグリルや、上下2段構成のヘッドライトにより、ひと目で最新のAudi Qシリーズとわかる特徴を手に入れている。
オプション設定のデジタルマトリクスLEDヘッドライトにはマイクロLEDモジュールが搭載され、25,600個のマイクロLEDにより照射性能が大幅に向上。また、路面に直接アイコンなどを表示できるライトガイダンス機能などを搭載することで、安全性向上に貢献する。
サイドビューは、ヘッドライトとテールライトのあいだにあるショルダーラインがSUVらしい堂々たるスタイルを強調。リヤビューは、LEDストリップやオプションのデジタルOLEDリヤライトがAudiの先進性を印象づける。
コックピットは、ドアからダッシュボードをつなぎドライバーとパッセンジャーを包み込む“ソフトラップ”デザインを採用するとともに、11.9インチのアウディバーチャルコックピットプラスと12.85インチのMMIタッチディスプレイをゆるやかな曲線でつないだ“MMIパノラマディスプレイ”により、新世代のAudiデザインに進化した。インフォテインメントシステムにはAndroid Automotive OSを搭載する。
シフトレバーをセンターコンソールからステアリングコラム右に移設したのも新型Audi Q3の特徴のひとつで、これによりセンターコンソールの収納が充実したのは見逃せない。ライトとワイパー操作はステアリングコラム左のスイッチで行う。
ラゲッジスペースは通常時でも488Lを確保するとともに、リヤシートを前にスライドすれば575L、さらにリヤシートを収納すれば最大1386Lの広大なスペースが現れる。
従来どおり、ボンネット下に横置きされるエンジンは、シリンダーオンデマンドシステムを搭載する1.5 TFSI(150ps)、ディーゼルの1.5 TDI(150ps)、quattroと組み合わされる2.0 TFSI(265ps)を用意。このうち1.5 TFSIにはマイルドハイブリッドシステムが採用される。
さらに、1.5 TFSIと電気モーターを搭載するプラグインハイブリッドシステムを用意。システム出力272psを誇るとともに、最大119kmのEV走行が可能である。
シャシーに関しては、オプションのダンピングコントロールサスペンションに、ダンパーの伸び側と縮み側とで独立したオイル回路を持つ2バルブタイプを採用。「MQB evo」を採用するフォルクスワーゲンの「Passat」や「Tiguan」に搭載されるテクノロジーが、Audiでも利用可能となった。
新型Audi Q3は2025年10月にヨーロッパで発売予定。また、このSUVタイプに加えて、SUVクーペのSportbackも登場が予想される。
(Text by Satoshi Ubukata)