2024年12月8日、三重県の鈴鹿サーキットおいて2024 AUTOBACS SUPER GT Round 5「SUZUKA GT 300km RACE GRAND FINAL」が開催され、#88 VENTENY Lamborghini GT3が今季4勝目を挙げ、シリーズタイトルを獲得した。

本来8月末に開催される予定だった第5戦の鈴鹿が台風の影響で延期になり、最終戦として12月に開催されることになった。

FIA GT3などが集うGT300クラスには27台がエントリーし、フォルクスワーゲングループ傘下のブランドとしては、2台のLAMBORGHINI HURACAN GT3が参戦している。マシンとドライバーの顔ぶれは次のとおり。

  • #87 METALIVE S Lamborghini GT3……松浦孝亮/坂口夏月
  • #88 VENTENY Lamborghini GT3……小暮卓史/元嶋佑弥

#88 VENTENY Lamborghini GT3は前戦を終えた時点でシリーズランキング2位。最終戦の結果次第では逆転でタイトル獲得が可能なだけに、予選から注目を集めることになる。

12月7日(土)の午後には2名のドライバーの合算タイムによりスターティンググリッドが決まる予選が行われ、#88 VENTENY Lamborghini GT3でQ1を担当した小暮選手がコースレコードを更新する1分55秒132でトップに踊り出ると、Q2の元嶋選手も1分55秒206の2番手タイムをマーク。2名の合算タイムは3分50秒338となり、見事ポールポジションを獲得した。予選2番手は#61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)、3番手は#2 muta Racing GR86 GT(平良 響/堤 優威)で、一方、#87 METALIVE S Lamborghini GT3は6番手からのスタートとなった。

翌12月8日(日)の12時57分には決勝レースがスタート。ポールポジションの#88 VENTENY Lamborghini GT3は元嶋選手がスタートを担当し、トップを維持したまま1コーナーへ進入すると、その後もポジションを守ったまま、レース序盤をリードしていく。

18周を終えたところで#88 VENTENY Lamborghini GT3がピットストップを行い、リヤタイヤ2本を交換したマシンで小暮選手がコースに復帰する。ところが、#2 muta Racing GR86 GTや#31 apr LC500h GT(小高一斗/中村 仁/根本悠生)がタイヤ無交換作戦を採ったことで、これらがピットストップを終えた時点で先行され、#88 VENTENY Lamborghini GT3は3番手に。さらに、シリーズランキングトップの#65 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/篠原拓朗/黒澤治樹)もタイヤ無交換で、気がつけば#88 VENTENY Lamborghini GT3の背後に迫っていた。

しかし、2本とはいえ、タイヤ交換を行った#88 VENTENY Lamborghini GT3がレース終盤に速さを発揮する。まずは#31 apr LC500h GTをパスして2位に浮上すると、#2 muta Racing GR86 GTとの差も一気に縮めて、レース残り10周というところで#2 muta Racing GR86 GTをオーバーテイクし、ふたたびトップに踊り出る。

一方、シリーズタイトル獲得がかかる#65 LEON PYRAMID AMGとしては、仮に#88 VENTENY Lamborghini GT3が優勝した場合には2位でフィニッシュする必要があった。しかし、#31 apr LC500h GTに最後まで行く手を阻まれることに。レースはそのままゴールを迎え、#88 VENTENY Lamborghini GT3は3連勝で今季4勝目を挙げた。2位は#2 muta Racing GR86 GT、3位は#31 apr LC500h GT。#65 LEON PYRAMID AMGが4位でフィニッシュしたため、#88 VENTENY Lamborghini GT3がシリーズタイトルを獲得。参戦31年目にしてJLOCは初の栄誉を手にしている。#87 METALIVE S Lamborghini GT3はクラッシュにより9周目にリタイヤとなった。

GT300クラス 決勝結果

順位No.マシン名ドライバー
188VENTENY Lamborghini GT3小暮卓史/元嶋佑弥
261SUBARU BRZ R&D SPORT井口卓人/山内英輝
32muta Racing GR86 GT平良 響/堤 優威
687METALIVE S Lamborghini GT3松浦孝亮/坂口夏月

GT500クラスは、予選で#36 au TOM'S GR Supra(山下健太/坪井 翔)がポールポジションを獲得した時点でシリーズチャンピオンが決定。決勝でもトップを守り抜き2連勝、今季3勝目を挙げている。

GT500クラス 決勝結果

順位No.マシン名ドライバー
136au TOM'S GR Supra山下健太/坪井 翔
217Astemo CIVIC TYPE R-GT塚越広大/太田格之進
314ENEOS X PRIME GR Supra大嶋和也/福住仁嶺

(Text by Satoshi Ubukata / Photos by Michinao Ishibashi)