「Audi RS 4 Avant」が25周年を迎えた。これを記念してAudiは「Audi RS 4 Avant edition 25 years」を発表。250台の限定販売である。

※この記事は「Auto Bild JAPAN Web」より転載したものです。

Audi RS 4 Avanは、1999年のデビューから四半世紀にわたって市場で人気を博し、スポーツワゴンの確固たる地位を保っている。インゴルシュタットに本社を置くAudiは、これを記念して、限定車のAudi RS 4 Avant edition 25 yearsをリリースした。

アニバーサリーモデルにふさわしく、“イモライエロー”に塗装されたボディ(ちなみにこれは、B5という製造コードを持つ最初のAudi RS 4 Avantへのオマージュである)の下には、多くの新技術が投入されている。

まずはパフォーマンスから。Audiは、2.9L V6ツインターボエンジンの最大トルクは600Nmのまま、出力を20psアップして470psとした。0-100km/h加速は3.7秒、最高速度は300km/hである。

10mmのローダウンを実施

エンジン性能の向上だけでなく、車高も調整されている。Audi RS 4 Avant edition 25 yearsは10mmのローダウンが実施される。それでも足りない場合は専用工具により、さらに10mm下げることが可能だ。

マットブラックの20インチホイールとセミスリックタイヤのオプションパッケージを選べば、このエクスクルーシブなスポーツモデルを、思い切りサーキットで走らせることができる。残念ながら、マラガ周辺の道路でそのポテンシャルをフルに試すことはできないが、このアップグレードがAudi RS 4 Avant edition 25 yearsにどのような影響を与えるかを容易に知ることはできる。

その前に、「Audi RS 6 Avant performance」でおなじみのシートに座ってみよう。ここでも、特別仕様のAudi RS 4 Avant edition 25 yearsにしかない、ランボルギーニを彷彿とさせるハニカムキルティングが施された装飾的なステッチが、心躍らせるだろう。スエード貼りのステアリングホイールは有償オプションだ。

大きな段差には慎重に

最初の数mですぐにその性格が理解できる。AudiとKWの共同開発で改良されたV4サスペンションは、ゆったりとしているが、落ち着きがある。ローダウンの影響はあるものの、不快ではない。ただし、大きな段差ではショックを吸収できないので、慎重に対処する必要がある。

RSらしいスポーティなサスペンションは、常にドライビングプレジャーを提供し、理想的なハンドリングをもたらす。4WDのquattroはどんなに悪条件の路面でも滑りにくい。特にスペイン南部の丘陵地帯にあるタイトなカーブでは、コーナリングが実に楽しく、さらにカーブ出口での力強い加速も素晴らしい! ちなみに、レーストラックを走りたいなら、上記のセミスリックタイヤだけでなく、自分専用のグローブも手に入れることができる。

100kgの軽量化がもたらすもの

パワーアップは、高速道路の流入路を走り抜けるときに顕著に現れる。約100kgの軽量化は、Audiがバルクヘッドの断熱材を大幅に削減したことで、V6ツインターボのサウンドがより明瞭に強調されるという副次的な効果もある。

エンジンは美しく唸り、2基のターボチャージャーの口笛が室内でより存在感を増している。存在感が増す一方で、オートマチックモードで一般道を走っていれば、ボンネットの下でガソリンエンジンが働いていることに気づく程度で騒々しさはない。

このエクスクルーシブな仕様には、ボディカラーにもよるが、少なくとも142,905ユーロ(約2315万円)の代金がかかる。Audi RS 4 Avant edition 25 yearsのカラーは、“ナルドグレー”。“ミトスブラック”を選ぶ人は、143,805ユーロ(約2329万円)と少し高くなる。鮮やかなイモライエローを纏う特別なAudi RS 4 Avant edition 25 yearsの価格は最低でも146,005ユーロ(約2365万円)と標準的なボディカラーよりもさらに高くなる。いずれにせよ、わずか250台のうちの1台を所有できればラッキーだ。

結論

Audi RS 4 Avant edition 25 yearsは間違いなくスポーティで速い。25周年記念の特別モデルは、さらに速く、特別なディテールを備えている。もちろん、Audi RS 4 Avant edition 25 yearsはお買い得というわけではないが、限定250台という希少性から、特にエンスージアストにアピールするはずだ。

(Text by Sebastian Friemel / Photos by Audi)