今年4月25日にアジア初のアウディの急速充電ステーション「Audi charging hub 紀尾井町」が東京・紀尾井町にオープン。

日本の急速充電の規格「CHAdeMO 2.0.1」に対応する最高出力150kWの急速充電器ですが、わざわざそのプレゼンテーションを虎ノ門ヒルズで行い、充電ステーションまでは貸し切りのバスまたは個人のクルマで移動して見せるという気合の入れよう。しかもそのとき、オープンを記念して「今年6月30日まで誰でも2回まで急速充電30分無料キャンペーン」を行うとのこと。

これは行かねば!

というわけで、Audiで150kW急速充電に対応しているモデルのうち、今回は電動SUVのフラッグシップモデル「Audi Q8 e-tron」のクーペ版「Audi Q8 Sportback 55 e-tron quattro S line」をチョイス。

ちなみに「Audi Q8 e-tron」は2つのボディスタイルがあり、スタンダードがSUVタイプで、「Audi Q8 Sportback e-tron」はスタイリッシュなクーペタイプのSUV。

さらに4WDの「quattro(クワトロ)」。

ボディーサイズは全長4915mm×全幅1935mm×全高1620mm。

同じ仕様で両車を比べるとSportbackのほうが全高が15mm低く、トランク容量も41Lほど狭くなりますが、ほかのサイズはすべて同じ。

5人乗りで、車両重量は2600kgとかなりヘビー級。114kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載し、モーターの最高出力は300kW、最大トルクは664Nm。

一回の充電での走行可能距離は501km (WLTCモード)。

デザインで特徴的なのは、薄型になったアウディのエンブレム、フォーリングス。黒いフロントグリル上部に、まるでフロントグリルの一部のようにたたずみます。

私が試乗していた車両は走行距離2033km、電池残量41%、航続可能距離139kmで試乗開始。その後、13km走行したところでアウディ世田谷ショールームの道を挟んで反対側にあるABB社の急速充電器で30分充電。90kWのCHAdeMO充電器が1基。2口あるので2台同時に充電すると充電量が少なくなるかも。27分の急速充電で35%から85%に。195km分充電でき航続可能距離は334km、50.027kWh。

翌日は取材で富士スピードウエイまで。帰りは都内赤坂のチャージングハブでいよいよ150kWの急速充電を試してみます。

このとき、スタート時の走行距離は3063km、バッテリー残量は36%、航続可能距離は179km。

Audi charging hub 紀尾井町には2基の蓄電池型超急速EV充電器「Hypercharger(ハイパーチャージャー)」があり、会員専用が1基、誰でも充電できる急速充電が1基の合計2基。1基につき2つのポートがあり、1台充電時の最大出力は150kW、2台同時でも最大120kWの急速充電が可能です。

最初、充電カードをお借りしていたので、会員専用に止めたら読み込まず。というわけでビジター用の場所へクルマを停め直し。やっぱり会員専用の方が停めやすい場所です。さらにビジター用の2か所のうち、手前に止めたら、充電ケーブルの長さが微妙。結局、フロントから止めました。

操作方法は簡単。ケーブルをクルマに接続して、QRコードを読み取り、必要な情報を入力するとメールアドレスにQRコードが届き、それを充電器にかざすと充電開始。ケーブルが細くて軽いのが嬉しい。

30分の充電中は、前にあるアウディのショールーム「Audi City 紀尾井町」が開いている時間帯であれば、ショールーム内で待つことも可能。親切にご対応いただき、お水をいただきました!(笑)

30分後、バッテリー容量は82%、+42%で、走行可能距離は397km。+218km走行可能に。

その後は普通充電も体験してみました!

翌日は千葉県いすみ市の「いすみグランピングリゾート&スパソラス」へ。こちらには普通充電が2基。仕事をしている間、施設に設置してある普通充電をお借りし、4時間36分の充電で310km走行可能に。こちらの充電設備は、宿泊者であれば無料でお借りできるみたい。

そしてAudi charging hub 紀尾井町で新たな情報!

無料キャンペーンは6月30日に終了しましたが、7月1日からは「従量課金制」へ変更になりました。今まではAudi charging hub 紀尾井町をはじめ、多くの充電サービスは「時間課金制」で充電する車両の受電スペックや充電環境で充電スピードは異なるのに、料金は同じ。私もこれで何度も納得がいかないことがありましたが、今回は使っただけお支払いするプランに。ただ今回、わかりにくいのは3つの充電料金が設定されていて、

  • 「プレミアム」(純再エネ100%)105円/1kWh
  • 「レギュラー」(純再エネ70%)95円/1kWh
  • 「エコノミー」(系統電力)85円/1kWh

Audi charging hubの屋根には太陽光発電がついていて、「パワーエックス」社の蓄電池型超急速EV充電器「HyperCharger」が2基。太陽光発電での余剰電力は、AIアプリと連携して電力を最適化しています。

ちなみに2024年6月30日までのAudi charging hub 紀尾井町を利用する場合の料金は、PCA月額会員(月会費1800円)が1分75円、PCA都度会員が1分200円、ビジターが1分250円!

ここでうっかりビジターで充電したら恐ろしい金額だったのね(汗)。

うーん、やっぱりBEVを購入するなら、自宅充電をおすすめします!

(Text & Photo by Yumi Yoshida)