2024年3月18日、AUDI AGはPPEプラットフォームを用いたブランド初の電気自動車(EV)となる「Audi Q6 e-tron」と、その高性能版の「Audi SQ6 e-tron」を発表した。

AudiとPorscheが共同で開発するEV専用プラットフォームが“PPE(Premium Platform Electric)”。これを採用するEVとして、ひとあし先にPorscheが新型「Macan」を発表しているが、AudiからはミッドサイズSUVであるAudi Q6 e-tronが登場した。

Audi Q6 e-tronは、全長4,771×全幅1,993×全高1,648mmと、「Audi Q5」よりひとまわり大きなサイズのボディを持つSUVで、2,899mmのロングホイールベースと短いフロントオーバーハングにより、広い室内空間を確保している。

フロントマスクは、AudiのSUVであるQファミリーらしく、8角形のシングルフレームグリルを採用する一方、さまざまなパターンが選択可能な“アクティブデジタルライトシグネチャ”を搭載することで、オーナーの個性を発揮することが可能だ。

サイドビューは、低いルーフラインや前後のブリスターフェンダーがAudiらしいプロファイルを形成。さらに、リヤビューでは、第2世代のデジタルOLEDリヤコンビネーションライトが、美しい表情をつくりあげるとともに、後続車に急ブレーキなどを知らせる機能などにより、安全性の向上にも寄与している。

コックピットは、ドアとダッシュボードによりドライバーとパッセンジャーを包み込む“ソフトラップ”デザインを採用するとともに、11.9インチのアウディバーチャルコックピットと14.5インチのMMIタッチディスプレイをゆるやかな曲線でつないだ“MMIパノラマディスプレイ”を初搭載。また、“MMIパッセンジャーディスプレイ”により、助手席の乗員が動画などのエンターテインメントを利用できるようになった。

インフォテインメントシステムには、AudiとしてはじめてAndroid Automotiveを採用。標準のアプリケーションに加えて、サードパーティのアプリをダウンロードして利用することも可能だ。

Q6 e-tron quattroには、100kWhの駆動用バッテリーと前後2基のモーターが搭載される。システムパワーは285kWを誇り、0-100km/h加速は5.9秒、航続距離は625kmを誇る。800V技術を採用するバッテリーは最高270kWの急速充電に対応。また、11kWまでの普通充電も可能だ。quattroに加えて、今後後輪駆動のモデルも追加される予定だ。

高性能版のAudi SQ6 e-tronでは、システム最高出力は380kWを達成し、0-100km/h加速は4.3秒をマークする。

Q6 e-tronシリーズは、ドイツのイングルシュタット工場で生産が行われ、価格はQ6 e-tron quattroが74,700ユーロ(約1200万円)から、Audi SQ6 e-tronは93,800ユーロ(約1500万円)からとなる。納車開始は2024年第3四半期を予定している。

(Text by Satoshi Ubukata)