2023年10月7日〜8日、静岡県の富士スピードウェイで「TCRジャパンシリーズ2023 Round 4」が行われ、Cupra TCRのTAKESHI SUEHIRO選手が2戦連続で表彰台を獲得した。

2L以下の直噴ターボエンジンを積むFF車の「TCR車両」で争われるこのツーリングカーレース、富士の第4ラウンドには、Audi RS 3 LMSが3台、Cupra TCRが1台、Honda CIVIC TCRが4台、韓国のHyundai(ヒョンデ) Elantra N TCRが1台の計9台が表彰台を目指して熱いバトルを繰り広げた。

なお、Cupraはフォルクスワーゲン グループの一員である「Seat(セアト)」から派生したスポーツカーブランドであり、Cupra TCRとAudi RS 3 LMSが同じスペインのファクトリーでつくられている。

TCRジャパンシリーズの各ラウンドは、「Saturdayシリーズ」と「Sundayシリーズ」で構成され、15分間の公式予選と、23分+1LAPの決勝レースが、それぞれ行われる。

Saturdayシリーズ

10月7日の午前12時40分から、Saturdayシリーズの決勝が行われた。ポールポジションは、Honda CIVIC TCRの#98 猪爪杏奈選手。2番グリッドに新型Honda CIVIC TCRの#690 久保田英夫選手、3番グリッドにCupra TCRの#19 TAKESHI SUEHIRO選手が続く。シリーズポイント2位のAudi RS 3 LMSの#65 加藤正将選手は7番グリッドからスタートする予定だったが、マシントラブルにより決勝レースへの出走は叶わなかった。

レースは、ポールポジションの#98 猪爪選手と3番手の#19 TAKESHI SUEHIRO選手がしっかりとスタートを決める一方、2番手の#690 久保田選手がエンジンをストールさせ順位を落としてしまう。さらに1コーナーでは後続のマシンが接触し、これがもとでセーフティカーが導入された。

3周目が終わったところでレースが再開。スタートで出遅れた#690 久保田選手がポジションを上げ、6周目には3位に浮上。2番手に迫るが、#19 TAKESHI SUEHIRO選手は#690 久保田選手を抑えきって2位表彰台を獲得した。

一方、#98 猪爪選手は見事ポールトゥウィンを果たし、最終戦を待たずにSaturdayシリーズのシリーズチャンピオンを決めている。

Audi RS 3 LMSの#17 鈴木建自選手は6位、同#7 玉田誠二選手は8位でそれぞれ完走を果たした。

Sunday シリーズ

翌9日、小雨が降る富士スピードウェイでは、午後1時25分からSundayシリーズの決勝が行われた。午前8時45分から行われた予選では、#98 猪爪選手がポールポジションを獲得。2番グリッドは#690 久保田選手、3番グリッドは#19 TAKESHI SUEHIRO選手となった。

決勝レースでは、#690 久保田選手がスタートで先行する一方、ポールポジションの#98 猪爪選手が1コーナーでオーバーランしてポジションを落としてしまう。6番グリッドからスタートした#65 加藤選手は見る見るポジションを上げ、1周目を終えた時点で2位。トップにコンマ262秒まで迫った#65 加藤選手は2周目の1コーナーでトップに踊り出、そのまま2位とのギャップを広げていった。

ところがレース中盤になると#65 加藤選手のペースが鈍り、2位の#690 久保田選手が迫る展開に。そして、6周目の1コーナーでは横並びになった2台が接触し、ともに優勝争いから離脱する事態に。

ここでトップに変わったのが#19 TAKESHI SUEHIRO選手で、これにポジションを戻してきた#98 猪爪選手とHyundai Elantra N TCRの#3 チェ・ジョンウォン選手が続いた。

その後、セーフティカーランをはさんで10周目にレースはリスタート。トップの#19 TAKESHI SUEHIRO選手が残り2周を逃げ切り、優勝を果たした。2位は#98 猪爪選手、3位は#3 ジョンウォン選手。

Audi RS 3 LMSの#7 玉田誠二選手は5位、同#17 鈴木建自選手は7位でそれぞれ完走を果たした。

次の第5戦は、11月25日〜26日、宮城県のスポーツランドSUGOで開催される。

(Text by Satoshi Ubukata / Photos by TCR Japan)

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