2023年8月19日〜20日、栃木県のモビリティリゾートもてぎで「TCRジャパンシリーズ2023 Round 3」が行われ、Cupra TCRのTAKESHI SUEHIRO選手が2戦連続でポール・トゥ・ウィンを果たした。
2L以下の直噴ターボエンジンを積むFF車の「TCR車両」で争われるこのツーリングカーレース、もてぎの第3ラウンドには、Audi RS 3 LMSが3台、Cupra TCRが1台、Honda CIVIC TCRが3台に加えて、この大会から新たに韓国のHyundai(ヒョンデ) Elantra N TCRが1台加わり、計8台が表彰台を目指して熱いバトルを繰り広げた。
なお、Cupraはフォルクスワーゲン グループの「Seat(セアト)」のスポーツカーブランドであり、Cupra TCRとAudi RS 3 LMSが同じスペインのファクトリーでつくられている。
TCRジャパンシリーズの各ラウンドは、「Saturdayシリーズ」と「Sundayシリーズ」で構成され、15分間の公式予選と、23分+1LAPの決勝レースが、それぞれ行われる。
Saturdayシリーズ
8月19日の午後4時5分から、Saturdayシリーズの決勝が行われた。ポールポジションは、HIROBON選手の代役として参戦したCupra TCRの#19 TAKESHI SUEHIRO選手。2番グリッドはHonda CIVIC TCRの#98 猪爪杏奈選手。Audi RS 3 LMSの#65 加藤正将選手は4番グリッド。注目の韓国人ドライバー、Hyundai Elantra N TCRの#3 チェ・ジョンウォン選手は、予選後の再車検で車両規則違反が見つかり、最後尾の8番グリッドからのスタートとなった。
レースは、ポールポジションの#19 SUEHIRO選手がスタートで出遅れたものの、メインストレートに戻るまでにトップを奪還。それ以降はライバルを寄せ付けない速さで2位以下との差を広げていった。
その後方では#65 加藤選手と#98 猪爪選手が激しい2番手争いを繰り広げる。そして気がつけば最後尾からスタートした#3 ジョンウォン選手が4位までポジションを上げ、三つ巴の戦いに発展していく。
その後、#3 ジョンウォン選手が2位、#98 猪爪選手が3位、#65 加藤選手が4位にポジションが入れ替わるが、#98 猪爪選手が9周目に左前タイヤのバーストでリタイア。さらに#3 ジョンウォン選手がファイナルラップでガス欠でストップする波乱があり、Honda CIVIC TCRの#55 MOTOTINO選手が2位、#65 加藤選手は3位で表彰台を獲得した。
一方、トップを快走していた#19 SUEHIRO選手は2位との差を38秒415まで広げる速さで、ポール・トゥ・ウィンを決めている。Audi RS 3 LMSの#7 玉田誠二選手は4位、同#17 鈴木建自選手は5位でそれぞれ完走を果たした。
Sunday シリーズ
翌20日の午前10時25分から、Sundayシリーズの決勝が行われた。午前8時10分から行われた予選では、#19 SUEHIRO選手がポールポジションを獲得。2番グリッドは#98 猪爪選手、3番グリッドは#3 ジョンウォン選手となった。
決勝レースでは、#19 SUEHIRO選手が好スタートを決め、2番手の#98 猪爪選手とともに後続との差を広げていく。一方、#3 ジョンウォン選手はスタートでミスしてポジションをダウン。ここから、#55 MOTOTINO選手、#65 加藤選手、#17 鈴木選手、#3 ジョンウォン選手による激しい3位争いが始まった。
レースは中盤に2位を走る#98 猪爪選手がまたもや左前タイヤのバーストで戦線を離脱。これにより3位にポジションを上げていた#65 加藤選手が2位に浮上。その後方からは#3 ジョンウォン選手が迫る。そしてレース終盤にはこの2台が約4周にわたるバトルを演じるが、もてぎをホームコースとする#65 加藤選手は#3 ジョンウォン選手を抑えきり2位でフィニッシュ。2戦連続で表彰台を獲得している。
#19 SUEHIRO選手はこのレースでも2位との差を30秒以上として圧勝。Saturdayシリーズに続きこのSundayシリーズでもポール・トゥ・ウィンを決めた。Audi RS 3 LMSの#17 鈴木建自選手は5位、同#7 玉田誠二選手は7位でそれぞれ完走を果たした。
次の第4戦は、10月7日〜8日、静岡県の富士スピードウェイで開催される。
(Text by Satoshi Ubukata / Photos by TCR Japan)
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