Audi Sportは、7月19日、2024ダカールラリー参戦に向けて実戦モードに入ったと発表した。

チームは、5月にサウジアラビアでテストを行った後、7月に入り、スペインで別のテストを行い、その後7月21日から22日に開催された「バハ アラゴン ラリー」に3台のAudi RS Q e-tronが参戦。参加するドライバー/コドライバーのペアは、マティアス エクストローム/エミール ベリークヴィスト、ステファン ペテランセル/エドゥアール ブーランジェ、カルロス サインツ/ルーカス クルスとなる。

Team Audi Sportは7月11日から7日間、イベリア半島のスペインで1,500km以上を走行するテストを実施。

Audi Motorsport責任者 ロルフ ミヒェル氏は「サウジアラビアのテストでは、様々な発見がありました。この結果に基づいて、チームのエンジニアは細部にわたる改善作業に取り組んできました。ドライバーからは貴重なフィードバックがあり、これらは、私たちが正しい方向に進んでいることを示しています。次のステップは、バハ アラゴン ラリーに参戦することです」と述べている。

アウディは、電気ドライブとエネルギーコンバーターを搭載し、reFuelを使用するプロトタイプカー、RS Q e-tronを開発。このモデルは、T1 Uカテゴリーに分類される。このT1 Uはカテゴリー外の車両として「バハ アラゴン ラリー」に出場する許可を得ている。

スヴェン クヴァント氏は「私たちは、承認されているカテゴリーに参戦するわけではありませんが、このラリーに参戦することで、ドライバーとコドライバーは、実戦条件下における徹底的な準備を行うことが可能になると同時に、私たちの車両についてさらに詳しく知ることができます」と述べている。

サスペンションとタイヤのテスト、細部の改良を実施

テクニカルディレクター レオナルド パスカーリ氏と開発チームは、サスペンションとタイヤに焦点を当てた。パスカーリ氏は「多くの可能性を試すために、様々な設定をしたショックアブソーバーを用意しました。そして、Audi RS Q e-tronと最適なマッチングを実現する、BF Goodrichの新しいタイヤを使用しました」と解説する。

マティアス エクストローム選手は「この2日間で、ダンパーに関する知識が大幅に深まりました」と語り、カルロス サインツ選手も「サウジアラビアで行った前回のテスト結果が活かされ、私たちはさらに前進しています」とコメントしている。

バハ アラゴンラリーをダカールラリー準備プログラムに追加

ステファン ペテランセル選手は「バハ アラゴンは、ほぼすべての点でダカールラリーとは異なっています。ルートは、世界ラリー選手権のように曲がりくねっていますが、より長い距離を走行します。ルートは明確に示されていますので、基本的に道に迷うことはありません。これらの様々な条件を考慮すると、バハは砂漠でのオフロード プログラムに追加するのに適しています」と語る。

今年のバハ アラゴン ラリーのプログラムでは、7月21日にプロローグと最初のステージが行われ、7月22日には500kmを走行する2つのステージが用意された。今年で39回目を迎え、あらゆる車両カテゴリーから271のチームが参加するこのイベントには、記録的な数の参加者が登録しています。今回のラリーでは、1月のダカールラリーでの事故により治療に専念していたコドライバーのエドゥアール ブーランジェ選手が復帰して、ペテランセル選手と再びコンビを組みます。ブーランジェ選手は「もちろん、健康には細心の注意を払っていますが、再びステファンのナビゲーターとしてレースに参加できることを嬉しく思います」とコメントしている。

ダカール参戦の長期目標:10月に予定されているラリー デュ マロックに参戦する予定

Team Audi Sportは、3回目のダカールラリー参戦に向けて準備を進めている。バハ アラゴンに次いで、10月に予定されているラリー デュ マロックに参戦する予定だ。ラリー デュ マロックでは、ダカールラリーと同様、砂漠が舞台となり、走行距離はバハ アラゴンよりも大幅に長くなります。さらに、追加のテストを実施することにより、来年1月に開催される世界でもっとも過酷なオフロード大会に向けたチームの準備が整うことになるだろう。

(Text Toru Matsumura)