アウディグループは、3月16日、アウディの昨年の売上高は16.4%増加して記録的な618億ユーロに達し、営業利益は約40%上昇して史上最高の76億ユーロを計上と発表した。営業利益率は昨年の10.4%から12.2%に、ネットキャッシュフローは48億ユーロに達し、アウディ史上2番目に高い数値を記録したという。
また、電気自動車の販売台数も急増。2023年は、Audi Q6 e-tronシリーズを皮切りに、アウディ史上最大のニューモデル攻勢を展開する予定だ。
AUDI AG最高経営責任者(CEO)マルクス ドゥスマン氏は「アウディの電動化戦略Vorsprung 2030は、数多くの危機に直面する時代においても、進むべき正しい道を示しています。私たちは持続可能性に注力して、製品のデジタル化と電動化を体系的に進めています」と述べています。
2022年はほぼ前年並みの販売台数
アウディ、ベントレー、ランボルギーニ、ドゥカティ ブランドグループは、2022年に合計163万8,638台(2021年:168万8,978台)の車両と6万1,562台(2021年:5万9,447台)のモーターサイクルを販売。アウディは161万4,231台(2021年:168万512台)の車両を販売した。
電気自動車の販売が引き続き好調
2022年、アウディ グループにおける電気自動車の販売台数が約44%増加(11万8,196台)、電気自動車のシェアは前年の4.8%から7.2%に増加した。これにはAudi Q4 e-tron、Audi e-tron GT quattro、Audi e-tronは、Audi A3そしてAudi Q5と並んで、売上高の増加に大きく貢献している。
マルクス ドゥスマン氏は「Audi Q6 e-tronは、インゴルシュタットで生産する初めての電気自動車です。この目的のために、私たちは敷地内に専用のバッテリー組み立て工場も建設しており、このドイツの工場で重要なノウハウを蓄積し、未来の分野で従業員のトレーニングを実施することができます」と述べている。
ベントレー、ランボルギーニ、ドゥカティが記録的な業績を計上
アウディ グループの好調な業績には、2022会計年度に記録を更新したベントレー、ランボルギーニ、ドゥカティの業績が大きく貢献してるという。ベントレーは3年連続で販売記録を更新。2022年には、前年比3.5%増となる1万5,174台(2021年:14,659台)の車両を販売した。売上高も33億8,400万ユーロ(2021年:28億4,500万ユーロ)と大幅に増加。営業利益率は過去最高の20.9%(2021年:13.7%)に上昇し、営業利益は7億800万ユーロ(2021年:3億8,900万ユーロ)で、これも前年の数値を大幅に上回ったた。
ランボルギーニは、2022会計年度に 9,233台(2021年:8,405台)の車両を販売し、売上高は前年比21.9%増の23億7,500万ユーロ(2021年:19億4,800万ユーロ)を達成。営業利益は、6億1,400万ユーロ(2021年:3億9,300万ユーロ)で、営業利益率は25.9%(2021年:20.2%)となった。
ドゥカティも、過去最高となる6万1,562台(2021年:5万9,447台)のモーターサイクルを販売。売上高は前年比24.0%増加して10億8,900万ユーロ(2021年:8億7,800万ユーロ)に達した。営業利益は1億900万ユーロ(2021年:6,100万ユーロ)に増加し、営業利益率は10.0%(2021年:7.0%)に達したという。
2023年度の展望
AUDI AG最高財務責任者(CFO)ユルゲン リッテルスベルガー氏も「アウディは、厳しい世界情勢にもかかわらず、2022年に優れた財務力を発揮し、売上高と営業利益の記録を更新しました。これらの結果は、今後も意欲的な戦略目標を達成し続けることができるという自信を、私たちに与えてくれます」と述べている。
アウディ ブランドグループの販売台数は180万台から190万台になり、売上高は690億ユーロから720億ユーロの新記録に達すると予想。車両価格が高止まりすると仮定して、営業利益率は9~11%になると予測。アウディ グループのネットキャッシュフローは、引き続き高い水準で推移し、45億ユーロから55億ユーロになると予想している。
(Text Toru Matsumura)