アウディは、1月26日、sphere(スフィア)コンセプトカーの集大成となる4番目のモデル、Audi activesphere concept(アウディ アクティブスフィア コンセプト)を発表した。

2021年に発表されたAudi skysphere roadster(アウディ スカイスフィア ロードスター)とAudi grandsphere sedan(アウディ グランドスフィア セダン)、そして2022年4月に発表された Audi urbansphere space concept(アウディ アーバンスフィア スペース コンセプト)に続き、今回、多彩な目的に対応するボディデザインを備えた4ドア クロスオーバー クーペだ。

Sportbackとしてデザインされたactivesphereのリアは、スイッチを押すだけでオープンカーゴベッド(アクティブバック)に変化させることがでるという。これにより、電動自転車、ウォータースポーツ、そしてウィンタースポーツ用ギアなどのレクリエーション装備を積載することが可能だ。

Audi activesphereは、オンロードとオフロードの両方で優れた走破性を実現する駆動システムとサスペンションを備え、多目的に使用することが可能な他、自動運転システムを装備している。また、ゼロエミッションによる走行、600kmを超える航続距離、800Vテクノロジーによる急速充電が可能だという。

Audi activesphere conceptのデザインは、マリブのアウディデザインスタジオで行われた。プロジェクトを担当したのは、スタジオマネージャーのゲール ビュザン氏と彼が率いるチーム。ビュザン氏は「activesphereは、とてもユニークなクルマです。このモデルは、Audi Sportbackのエレガントなスタイル、SUVの実用性、オフロード性能を巧みに組み合わせた、まったく新しいタイプのクロスオーバーです」と述べている。

AUDI AG技術開発担当取締役オリバー ホフマン氏は「スフィア コンセプトは、未来のプレミアムモビリティに対する当社のビジョンを示しています。特に将来のアウディモデルのインテリアでは、パラダイムシフトを経験しており、インテリアは、乗客がくつろぎ、同時に外の世界とつながることができる場所になります。アウディアクティブスフィアにおける最も重要な技術革新は、モビリティのための拡張現実の適応です。アウディの寸法は、周囲とデジタルリアリティの完璧な統合を生み出します」と述べている。

Audi activesphere conceptのエクステリアデザイン

Audi activesphere conceptのサイズは、全長4.98m、全幅2.07m、全高1.60mとなり、プレミアムセグメントに属する。電気自動車の特徴でもある2.97mの長いホイールベースは、乗員の足元に広々としたスペースを提供する。

22インチの大径ホイール、フラットなキャビン、ルーフラインなど、プロポーションはスポーツカーを想起させるものだ。285/55タイヤは、あらゆるタイプの地形に対応。そのトレッドパターンは、activesphereがオフロードも走行できることを示している。さらに、オフロード走行時は冷却性能を最適化するために開き、オンロード走行時は空力性能を最適化するために閉じる、可動部があるホイールが装着される。左右のフロントドアに設置されたリアビューカメラも、空気抵抗を最小限に抑えるように特別に設計されているという。

Audi activesphereの最低地上高は、走行条件に応じて変化させることが可能。基本となる地上高は208mmだが、オフロード走行時には40mm高くすることができるという。また、オンロード走行時には40mm低くすることも可能だ。なお、オフロード走行時のAudi activesphereのアプローチアングルは18.9°、ディパーチャーアングルは28.1°となる。

activesphereは、Sportbackスタイルに、allroadのデザインエレメントとテクノロジーを融合した最初のクルマとなる。このため、アウディはallroadとは対照的に、この新しいボディバリエーションを「active Sportback」と呼称される。

Sportbackとアクティブバック

必要に応じて、透明なリアウィンドウスライドをルーフとほぼフラットな状態にスライドさせることが可能であり、リア下部の垂直部分が、手前、水平に展開する。これにより、電動自転車用のブラケットを備えたアクティブバックと呼ばれる荷台が出現する。

また、リアシート後方のラゲッジフロアから電動バルクヘッドが展開して、キャビンを雨や風から保護される。さらに、ルーフ構造の中央にはスキーラックが組み込まれており、必要に応じて展開することで、スキーを安全に取り付けて運ぶことが可能となっている。

Audi activesphere conceptのインテリア

シートは、座面、背もたれ、ショルダー部分を3つの別個の円周シェルとしてデザインされている。まるで宙に浮いているように見えるため、自動車用シートとラウンジチェアを泡切要な雰囲気だ。

Audi activesphere conceptが自動運転モードで走行しているときは、ダッシュボード、ステアリングホイール、ペダル類は見えない位置に格納される。フロントシートでは、ドライバーの前に、フロントエンドまで広がる開放的なスペースが出現する。また、ドライバーが運転する場合は、ダッシュボードとステアリングホイールがフロントウィンドウ下から展開する。

Audi Dimension

「Audi dimensions」の中心となるのは複合現実ヘッドセットで、ドライバーと乗員が個別に利用可能。ユーザーはAudi activesphereの車内でデジタルエコシステムにアクセスすることが可能だ。また、バーチャルディスプレイをセンターコンソールに投影して、ウェブコンテンツを表示させることもできるという。

バッテリーの航続距離、最寄りの充電ステーションといった車両そのものに関する情報は、車内外両方からアクセスできるという。また、必要に応じて、タイヤの空気圧低下などの事前警告や、ルート選択の基準となる天気予報機能も備えている。

プレミアム プラット フォームエレクトリック(PPE)

Audi activesphere conceptは、アウディの電気自動車用プラットフォームである、プレミアム プラット フォームエレクトリック(PPE)をベースにしており、寸法とパフォーマンスレベルは、PPEの要件に適合しています。

四輪駆動のAudi activesphere conceptの前後のアクスルに搭載された電気モーターは、合計325kWの出力と720Nmのシステムトルクを発生。フロントおよびリアサスペンションには5リンクタイプが採用されており、このコンセプトカーは、アダプティブダンパーを備えた、アウディアダプティブ エアサスペンションも装備しているという。

800Vで急速充電

将来すべてのPPEモデルの駆動テクノロジーの中心的要素となるのが、800Vの充電テクノロジーだ。急速充電ステーションを使用すると、最大270kWの出力で短時間でバッテリーを充電可能。これにより、わずか10分で、300km以上走行するための十分なエネルギーを充電することが可能になるという。

さらに25分未満で、容量100kWhバッテリーを5~80%まで回復させることが可能となるため、一充電走行距離が600kmオーバーのAudi activesphereは、長距離ツアラーとしての資質を十分に備えているといえるだろう。

(Text Toru Matsumura)