2022年11月9日、AUDI AGは、「Audi e-tron」「Audi e-tron Sportback」のマイナーチェンジを実施し、モデル名を「Audi Q8 e-tron」「Audi Q8 Sportback e-tron」と改めた。

Audi SQ8 Sportback e-tron(写真左)と Audi Q8 55 e-tron quattro(写真右)

Audi初の量産BEV(電気自動車)として2018年に登場したAudi e-tronシリーズがマイナーチェンジを実施し、Audi Q8 e-tronとして生まれ変わった。今回の名称変更により、Audi Q8 e-tron/Q8 Sportback e-tronがSUV/クロスオーバーの最上級BEVであることを明確にするのが狙いだ。

Audi Q8 e-tron/Q8 Sportback e-tronのボディサイズは、全長4915×全幅1937×全高1633(Sportbackは1619)mmで、Audi e-tron/e-tron Sportbackと比べて若干伸びたものの、ほぼ同じサイズを保っている。一方、シングルフレームグリルや前後バンパー、ライト類のデザインを一新するとともに、2次元デザインのフォーリングスや、Audiとして初めてBビラーにAudiのロゴを配置するなど、新しい試みを取り入れている。

Audi Q8 55 e-tron quattro

Audi Q8 e-tron/Q8 Sportback e-tronには、これまでどおり50 e-tron quattroと55 e-tron quattroが用意される。

50 e-tron quattroは、バッテリー容量が従来より24kWh増えて95kWh(正味容量は89kWh)に。前後2基のモーターにより、 ブーストモードでシステム最高出力250kW、システム最大トルク664Nmを発揮する。WLTPモードでの航続距離は、Audi Q8 50 e-tron quattroが最大491km、Audi Q8 Sportback 50 e-tron quattroが最大505kmを達成する。

一方、55 e-tron quattroでは、バッテリー容量は19kWh増の114kWh(正味容量106kWh)に。ブーストモードではシステム最高出力300kW、システム最大トルク664Nmを発揮する。航続距離はAudi Q8 55 e-tron quattroが最大582km、Audi Q8 Sportback 50 e-tron quattroが最大600kmに及ぶ。

急速充電は、50 e-tron quattroが最大150kW、55 e-tron quattroが最大170kWに対応。55 e-tron quattroの場合、10〜80%の充電に要する時間は約31分で、これにより最大420km航続距離を伸ばすことが可能だ。

Audi Q8 Sportback 55 e-tron quattro

ハイパフォーマンスモデルのAudi e-tron S/e-tron S SportbackはAudi SQ8 e-tron/SQ8 Sportback e-tronとして登場。バッテリー容量は、Q8 55 e-tron同様、19kWh増えて114kWh(正味容量106kWh)に。フロントに124kWを発揮する1基のモーターと、リヤにそれぞれ98kWを発揮する2基のモーターによりquattroを構成。システム最高出力は370kWに達する。リヤの左右のトルクをコントロールすることでコーナリング性能を高める電動トルクベクタリング機構を採用するのは従来どおりだ。

いずれのモデルにもアダプティブエアサスペンションが標準採用される。

Audi SQ8 e-tron

ドイツにおけるAudi Q8 e-tronの価格は74,400ユーロ(約1090万円)からで、11月中旬から受注が開始され、2023年2月末からデリバリーが開始される予定だ。

Audi SQ8 Sportback quattro

(Text by Satoshi Ubukata)