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2022年9月10日〜11日、静岡県の富士スピードウェイで「TCRジャパンシリーズ2022 Round 5」が行われ、Cupra TCRで出場したHIROBON選手が、Saturdayシリーズで優勝し、最終戦を待たずに同シリーズのチャンピオンを決めた。

2L以下の直噴ターボエンジンを積むFF車の「TCR車両」で争われるTCRジャパンシリーズ、「WEC 6 HOURS FUJI」と同時開催となった富士スピードウェイの第5ラウンドには、Audi RS 3 LMSが3台、Cupra TCRが2台、ALFA ROMEO GIULIETTA TCRが1台、ALFA ROMEO GIULIETTA Veloce TCRが2台、Honda CIVIC TCRが3台の計11台がエントリーした。

なお、Cupraはフォルクスワーゲン グループの「Seat(セアト)」のスポーツカーブランドであり、TCR参戦車両に関しては、Cupra TCRとAudi RS 3 LMSが同じファクトリーでつくられている。

TCRジャパンシリーズの各ラウンドは、「Saturdayシリーズ」と「Sundayシリーズ」で構成され、15分間の公式予選と、23分+1LAPの決勝レースが、それぞれ行われる。

Saturdayシリーズ

9月10日の午後3時35分から、Saturdayシリーズの決勝が行われた。これに先立ち、午前中に行われた予選では、#19 HIROBON選手(Cupra)がポールポジションを獲得。2番グリッドを#98 猪爪杏奈選手(Honda)、3番グリッドを#74 上松淳一選手(Alfa)がそれぞれ獲得している。

スタートでは、ポールポジションの#19 HIROBON選手がトップを守る一方、その後方では4番グリッドからスタートした#65 加藤正将選手(Audi)が2位に浮上。これを#74 上松選手(Alfa)と#98 猪爪選手(Honda)が追う展開に。

トップの#19 HIROBON選手は後続を少しずつ引き離し、いつしか独走態勢に。すると皆の注目は3台による2位争いへと移る。

レース中盤までは、#74 上松選手(Alfa)と#98 猪爪選手(Honda)が激しい3位争いを繰り広げるが、ついに9周目に#98 猪爪選手(Honda)が3位に浮上。するとすぐさま前を行く#65 加藤選手(Audi)に襲いかかる。

#65 加藤選手(Audi)は巧みなブロックで#98 猪爪選手(Honda)を抑えていたが、ファイナルラップの最終コーナーで#98 猪爪選手(Honda)の先行を許し、3位にポジションを落としてしまう。

レースはそのままゴールを迎え、#19 HIROBON選手(Cupra)がポール・トゥ・ウィン。2位は#98 猪爪選手(Honda)、3位は#65 加藤選手(Audi)。この時点でのシリーズポイントは、トップの#19 HIROBON選手(Cupra)が129点、2番手の#98 猪爪選手(Honda)が99点で、ポイント差と優勝回数から、最終戦を待たずに#19 HIROBON選手(Cupra)のシリーズチャンピオンが確定した。

HIROBON選手(写真左)とBIRTH RACING PROJECT (BRP)代表の奥村浩一氏(写真右)

#17 鈴木建自選手(Audi)は6位、#18 植田正幸選手(Cupra)は7位で完走。#24 滝川 聡選手(Audi)は予選中のクラッシュにより、決勝レースは不出走だった。

Sundayシリーズ

翌9月11日の午前9時10分から、Sundayシリーズの決勝が行われた。前日の予選では、#98 猪爪杏奈選手(Honda)がポールポジションを獲得。2番グリッドを#73 大蔵峰樹選手(Alfa)、3番グリッドを#19 HIROBON選手(Cupra)がそれぞれ獲得している。

Honda Civic TCRの#98 猪爪杏奈選手

オープニングラップは、2番グリッドの#73 大蔵選手(Alfa)が好スタートを決めて真っ先に1コーナーに飛び込んだが、すぐさま#98 猪爪選手(Honda)がトップを奪い返し、レースをリードする展開に。その後方では、#73 大蔵選手(Alfa)、#19 HIROBON選手(Cupra)、#74上松淳一選手(Alfa)、#62 塩谷烈州選手(Honda)が集団となり、さらに、最後尾から追い上げてきた#65 加藤選手(Audi)がこれに加わり、激しい上位争いが繰り広げられた。

なかでも#73 大蔵選手(Alfa)と#19 HIROBON選手(Cupra)の2位争いがヒートアップ。その隙にトップの#98 猪爪選手(Honda)が2位以下を引き離していった。

レース中盤には2位の#73 大蔵選手(Alfa)が集団から抜け出し、#19 HIROBON選手(Cupra)と#65 加藤選手(Audi)による3位争いが激しさを増していく。これで#73 大蔵選手の2位は確実かと思われたが、ゴールまで1周半というところでマシントラブルが発生し、最後尾までポジションを落としてしまう。

Honda Civic TCRの#98 猪爪杏奈選手

レースはそのままファイナルラップを迎え、#98 猪爪選手(Honda)が悲願の初優勝を遂げた。

#19 HIROBON選手(Cupra)は2位、#65 加藤選手(Audi)は3位でそれぞれ表彰台を獲得している。

#18 植田正幸選手(Cupra)は7位、#17 鈴木建自選手(Audi)は8位で完走。#24 滝川 聡選手(Audi)は前日のクラッシュにより、決勝レースは不出走だった。

最終戦となる第6戦は、10月29日〜30日、三重県の鈴鹿サーキットで開催される。

(Text by Satoshi Ubukata / Photos by TCR Japan)

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