マイナーチェンジした「Audi SQ2」が日本上陸。その走りをチェックする。

Audi SQ2のマイナーチェンジ版が日本で発表されたのは2022年2月のこと。あれから約半年が経ち、この最新版をテストする機会が到来した。

マイナーチェンジしたAudi SQ2の概要は上記のニュースをご一読いただくとして、今回試乗したのは、マグマレッドのボディカラーに、オプションのブラックAudi ring&ブラックスタイリングパッケージが映えるスポーティな一台だ。

オプションのインテリアデザインパッケージが装着された室内は、マグマレッドのファインナッパレザーのシートや、レッドアクセントリングが施されたエアベントに目を奪われる。

高性能エンジンとquattroが組み合わされるのがSモデルの特徴だが、Audi SQ2には、最高出力221kW(300ps)、最大トルク400Nmの2.0 TFSIが搭載される。これに7速Sトロニックが組み合わされ、quattroにより4輪にトルクを伝えるパワートレインは、マイナーチェンジ前と基本的には同じものだ。

その走りは痛快そのもの! 2L直噴ターボエンジンは低回転からトルクに余裕があり、発進から実に軽やか。動き出してからも、アクセルペダルの動きに対するレスポンスも良く、ほとんどターボラグを感じさせずに加速してくれるから、街中のストップ&ゴーでも扱いやすい。

一方、素速い加速が必要な場面でアクセルペダルを深く踏み込むと、3000rpmを超えたあたりから、スポーティなサウンドをともないながら6000rpmを超えるまで勢いのいい加速を見せる。もちろん、大トルクを4輪で受け止めるquattroだけに、急加速の挙動は安定しており、ドライ路面であればホイールスピンで焦ることはない。300psの高性能を安心して使い切れるのがAudi SQ2の頼もしいところだ。

全高がSUVとしては低めの1525mmに抑えられたAudi SQ2は、走行中のロール量やロールスピードが気にならず、高速コーナーでも安定感は抜群。quattroならではの高い接地感とあいまって、コーナーが楽しいクルマに仕上がっている。高速走行時のフラット感も高く、少し高めのアイポイントに慣れると、SUVをドライブしていることを忘れてしまうほどだ。

ただ、やや硬めの足まわりに加えて、試乗車には1インチアップの235/40R19タイヤが装着されていたこともあり、路面によっては乗り心地に硬さを感じたり、ショックが伝わることもあった。それでも時間が経てば慣れてくる硬さで、スポーティな走りの代償としては十分納得のいくものだろう。

低めの全高のおかげで、立体駐車場に収まるのもうれしいポイント。いまやこのAudi SQ2がAudiのなかでは最小のSモデルとなるが、コンパクトなスポーツモデルを意のままに操れるという意味では、実に魅力的な一台である。

(Text & photos by Satoshi Ubukata)