2022年8月20日〜21日、栃木県のモビリティリゾートもてぎで「TCRジャパンシリーズ2022 Round 4」が行われ、Cupra TCRで出場したHIROBON選手が、Saturdayシリーズ、Sundayシリーズともに優勝を果たした。

2L以下の直噴ターボエンジンを積むFF車の「TCR車両」で争われるTCRジャパンシリーズ、MOTEGIの第4ラウンドには、Audi RS 3 LMSが3台、Cupra TCRが1台、ALFA ROMEO GIULIETTA TCRが1台、ALFA ROMEO GIULIETTA Veloce TCRが1台、Honda CIVIC TCRが3台の計9台がエントリーした。

なお、Cupraはフォルクスワーゲン グループの「Seat(セアト)」のスポーツカーブランドであり、TCR参戦車両に関しては、Cupra TCRとAudi RS 3 LMSが同じファクトリーでつくられている。

TCRジャパンシリーズの各ラウンドは、「Saturdayシリーズ」と「Sundayシリーズ」で構成され、15分間の公式予選と、23分+1LAPの決勝レースが、それぞれ行われる。

Saturday Series

8月20日の午後0時40分からは、Saturdayシリーズの決勝が行われた。これに先立ち、午前中に行われた予選では、#65 加藤正将選手(Audi)がポールポジションを獲得。2番グリッドは#19 HIROBON選手(Cupra)、3番グリッドは#98 猪爪杏奈選手(Honda)である。

序盤は、スタートを上手くきめた#65 加藤選手(Audi)がレースをリードし、その後方では2番手の#19 HIROBON選手(Cupra)が3番手の#98 猪爪選手(Honda)を抑えながら、#65 加藤選手(Audi)に襲いかかる機会を虎視眈々と狙っていた。

#19 HIROBON選手(Cupra)は8周目あたりから#65 加藤選手(Audi)との差を縮めていき、ほどなくしてテール・トゥ・ノーズの状態に。一方の#65 加藤選手(Audi)は#19 HIROBON選手(Cupra)を巧みに抑えていたが、10周目にステアリング系のトラブルが発生し、トップ争いから離脱。首位に立った#19 HIROBON選手(Cupra)は後方の#98 猪爪選手を振り切り、勝利を手に入れた。

#17 鈴木建自選手(Audi)は5位、#24 滝川 聡選手(Audi)は7位、トラブルで順位を落とした#65 加藤選手(Audi)は8位で、それぞれ完走を果たした。

Sundayシリーズ

8月21日の午後0時40分からは、Sundayシリーズの決勝が行われた。前日に行われた予選では、#98 猪爪選手(Honda)がポールポジションを獲得。2番グリッドは#65 加藤選手(Audi)、3番グリッドは#19 HIROBON選手(Cupra)である。

レースは、スタートで首位を守った#98 猪爪選手(Honda)を、#19 HIROBON選手(Cupra)が追う展開に。オーバーテイクが難しいもてぎのコースで、終盤までこの2台の接近戦が続く。しかし、10周目の1コーナーで#19 HIROBON選手(Cupra)が#98 猪爪選手(Honda)のアウト側から仕掛け、ついに4コーナーでサイドバイサイドの状態から#19 HIROBON選手(Cupra)が抜けだし、トップに踊り出た。

レースは#19 HIROBON選手(Cupra)がそのまま逃げ切り、このもてぎラウンドを完勝。一方、#65 加藤選手(Audi)は前日のステアリング系トラブルは修理できたものの、以前の速さは戻らず、それでも3位表彰台を獲得している。

#17 鈴木建自選手(Audi)は6位、#24 滝川 聡選手(Audi)は7位で、いずれも完走を果たした。

次の第5戦は、9月9日〜11日、静岡県の富士スピードウェイで開催される。

(Text by Satoshi Ubukata / Photos by TCR Japan)

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