2022年5月4日、静岡県の富士スピードウェイにおいて、2022 AUTOBACS SUPER GT第2戦「FAV HOTEL FUJI GT 450km RACE」の決勝レースが行われ、波乱の展開のなか、#6 Team LeMans Audi R8 LMSが14位完走を果たした。

GT300クラスに唯一Audi R8 LMSで参加するTeam LeMansは、開幕戦直後にチーム体制の変更を発表。Aドライバーの本山 哲選手が離脱し、それまでBドライバーを務めていた片山義章選手がAドライバーに。新しいBドライバーには、F1参戦経験のあるスペイン人のロベルト・メルヒ・ムンタン選手を迎えた。さらに、昨シーズンまでAudi R8 LMSでGT300クラスに参戦していた川端伸太朗選手を今回Cドライバーとして起用し、450kmで戦うこの第2戦に臨んだ。

写真左から、片山義章選手、ロベルト・メルヒ・ムンタン選手、川端伸太朗選手。

5月3日にはノックアウト方式の予選が行われ、Q1のA組に臨んだ#6 Team LeMans Audi R8 LMSの川端選手は、アタックラップで1分36秒500をマークし、さらに次の周には1分36秒336と自己ベストを更新するものの、Q2進出ラインの8位にわずかコンマ021秒及ばず、Q1を突破することは叶わなかった。

ポールポジションは#61 SUBARU BRZ R&D SPORTの井口卓人/山内英輝組が2戦連続で獲得。2番手は#10 TANAX GAINER GT-Rの富田竜一郎/大草りき/塩津佑介組、3番手は#96 K-tunes RC F GT3の新田守男/高木真一組という結果になった。

一方、GT500クラスは#19 WedsSport ADVAN GR Supraの国本雄資/阪口晴南組がポールポジションを獲得。これに、#24 リアライズコーポレーション ADVAN Zの佐々木大樹/平手晃平組、#3 CRAFTSPORTS MOTUL Zの千代勝正/高星明誠組が続いた。

翌5月4日は、100周450kmのレースが行われた。決勝を前に、富士では恒例のエアレース・パイロット室屋義秀選手によるデモンストレーションフライトが行われた。

また、3月16日に82歳で逝去された高橋国光氏へ哀悼と敬意を表すため、決勝レース前に黙とうが行われた。

#6 Team LeMans Audi R8 LMSは、ムンタン選手が第1ドライバーを務める。

午後2時30分にスタートした決勝は、GT300クラスは2番手からスタートした#10 GT-Rの富田選手が1周目にトップを奪い、そのままレースをリードすることになる。

一方、#6 R8のムンタン選手は、1周目こそ順位を3つ落としたが、それ以降はGT500とGT300が入り乱れるSUPER GTにすぐに順応し、順調に周回を重ねていった。35周を終えたところで第2ドライバーの川端選手に交代。はじめてのSUPER GTで与えられた役割をきっちりと果たした。

頼れる助っ人として参加した#6 R8の川端選手がこれから反撃という矢先、GT300のマシンがクラッシュし、フルコースイエローのあとセーフティカーが導入され、さらに赤旗中断になる。

その20分後にはレースが再開になるが、それから20分もたたないうちに、GT500クラスでトップ争いを繰り広げていた#3 CRAFTSPORTS MOTUL Zの高星明誠選手が、メインストレートでスローダウン中のGT300のマシンと接触して大クラッシュし、レースは2度目の赤旗中断に。

幸い高星選手は命に別状はなかったものの、レースが再開されたのは最大延長時間である午後6時20分のわずか10分前で、レースはセーフティカーランのまま、予定を大幅に下回る58周で終了。#6 R8は川端選手が15位でゴール。上位の一台がペナルティを受けたため、#6 Team LeMans Audi R8 LMSは14位完走となった。なお、レースが短縮されたため、片山選手が走行することはなかった。

GT300クラスは、序盤にトップに立ち、その後も速いペースで周回を重ねた#10 TANAX GAINER GT-Rが優勝。2位が#34 BUSOU raffinee GT-R、3位が#61 SUBARU BRZ R&D SPORTという結果に。

GT300クラスは#10 TANAX GAINER GT-Rが優勝

一方、GT500クラスは、14位からスタートした#39 DENSO KOBELCO SARD GR Supraがトップでチェッカーフラッグを受け、これに#37 KeePer TOM'S GR Supraが続いたが、ともにペナルティを受けたために3番手ゴールの#8 ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺組)が優勝を果たしている。

次の第3戦は、5月29日、三重県の鈴鹿サーキットで決勝が行われる。
(Text by Satoshi Ubukata / Photos by Hisao Sakakibara)

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