2022年4月19日、アウディ ジャパンとポルシェジャパンは、両ブランドが展開する150kW急速充電器をそれぞれのBEV(電気自動車)オーナーが相互利用できる「Premium Charging Alliance(PCA)」を2022年7月1日に開始すると発表した。

「ポルシェ ターボチャージャー」と呼ばれる150kW出力の急速充電器(2022年夏までは90kW)は、日本国内のポルシェセンターに34カ所38基、都市型充電インフラとして、東京、名古屋、大阪に6カ所11基、ポルシェ・エクスペリエンスセンター東京に1基の計41カ所50基が設置されている。

一方、Audiでは、2022年末までに全国のアウディディーラー52拠点に52基の150kW出力の急速充電器を設置する予定。さらに、すでに設置されている50kWおよび90kW出力の急速充電器50基も2024年までには150kW出力に置き換える予定だ。

そのすべてを、AudiとPorscheのBEVオーナーが利用できることになる。アウディ ジャパンとポルシェジャパンは、BEVオーナー向けに専用のアプリを提供。これにより、充電器の検索やそこまでのルート案内、充電時の認証が可能になる。

アウディ ジャパンのブランドディレクターであるマティアス・シェーパース氏は、「Audiの掲げる“Future is an attitude”のブランドビジョンを通し、世界中、そしてここ日本でeモビリティへの変革を加速させています。アウディジャパンは、電気自動車への転換において150kW以上の急速充電器ネットワークを戦略的に拡大することが必要不可欠であり、オーナーの利便性の向上は電気自動車販売促進においても非常に重要な役割を持つと考えています。また、自宅に充電器を設置することができない都市部に居住する方などに対し、充電環境を整えることで、電気自動車を選択することができなかった方にも購入を検討して頂けるきっかけにしていきたいです。今後Audiの電動化戦略を加速させるモデルとなるQ4 e-tronの日本発売に向けて、積極的に準備を進めてまいります」と述べている。

ポルシェジャパン社長のミヒャエル・キルシュ氏は、「日本は公共の充電ネットワークの整備に積極的に取り組んでいますが、充電速度自体はまだ十分でないと考えています。スポーティなモビリティを提供するプレミアムプロバイダーという立場から、Porscheが急速充電の分野で先駆者になることは当然のことです。Premium Charging Allianceによって、私たちは急速充電を提供する他の企業と協力し、お客様が車の充電に費やす時間を短縮するとともに充電により便利な場所を見つけることによって、電気自動車の運転をさらに便利なものにすることを目指しています」と語っている。

Premium Charging Allianceにより、BEVオーナーの利便性が高まることは確実で、両ブランドのBEV販売のアドバンテージになりそうだ。

(Text by Satoshi Ubukata)