前回、このコーナーでお知らせしたとおり、SUPER GTが開催される大分県のオートポリスへ、燃費調査をかねて東京からクルマで行ってきました!

今回の相棒は……Audi A3 Sportback 1st edition!

大観峰

Audi A3 Sportback 1st editionは、1L直列3気筒ターボエンジンと48Vマイルドハイブリッドシステムを搭載する5ドアハッチバック「Audi A3 Sportback 30 TFSI advanced」をベースに、装備を充実させた限定車です。カタログモデルには設定のないルーフレールが装着されるのが、この限定車の特徴ですね!

2021年6月に行った“燃費調査”では、“アクティブシリンダーマネージメント”機構採用の1.5L直噴ガソリンターボエンジンと、48Vマイルドハイブリッドシステムを搭載する「Golf eTSI R-Line」で東京〜鹿児島間を無給油で走破。そこで、今回は「Golf eTSI Active」と同じパワートレインを積むAudi A3 Sportback 1st editionで燃費の違いをチェックすることにしました。

排気量が小さいぶん、Audi A3 Sportback 1st editionが有利に思われるでしょうが、カタログを見るとそう簡単な話ではありません。というのも、カタログ上の高速燃費は、Golf 1.5 eTSI R-Lineが19.8km/Lであるのに対し、Audi A3 Sportback 1st editionは20.0km/Lとほぼ同じですが、燃料タンクの容量が前者の51Lに対し、後者は47Lと小さいのです。

さて、今回はスケジュールの都合で、スタートが東名高速道路の海老名SA、ゴールが九州道の北熊本SAになりました。この間、東名〜新東名〜伊勢湾岸道〜新名神〜名神〜新名神〜山陽道〜中国道〜九州道と乗り継いだ場合の距離は1125.4kmです。途中、無給油で走破するには燃費が23.9km/Lを上回る必要がありますし、東京IC〜鹿児島料金所(1331.3km)を無給油で走破するためには28.3km/L以上で走らなければなりません。23.9km/Lは楽勝ですが、果たして28.3km/Lを上回ることができるのか? また、Golf 1.5 eTSI R-Lineの29.6km/Lを超えられるかに注目です。

ということで、まずは30km/L超えを目標に熊本を目指すことにしたのですが、そのためには高速道路を少し控えめなペースで走る必要がありました。事前に少し走ってみたところ、75km/h前後で走れば低燃費が期待できそうです。そこで、今回は基本的にはACCを使ってこの速度を維持し、低燃費を狙うことにしました。

そうと決まったら、あとはひたすらクルマまかせで走るだけ(笑) ペースが遅いのでトラックに混じり、ときには登坂車線をのんびり走ります。実際に走り始めてみると、30km/L超えは難しく、往路前半が27〜28km/L台、後半のアップダウンが続く山陽道〜中国道では26km/L台となり、北熊本SAまでの総平均は27.2km/Lになりました。これに対して、ゴルフeTSI R-Lineの燃費は29.6km/Lとさらに優れているのは、1.5 eTSIの気筒休止機構が、実燃費にかなり効いているからでしょうか。

それでも、ここまで無事に無給油で走破できました。

途中のSA/PAで仮眠をとる場面もありましたが、ACCを使ったおかげで予想以上に疲労は軽かったのは驚きです。

ちなみに、東京ICから海老名SAまでは31.4km、北熊本SAから鹿児島料金所までは174.5km。ふたつを合わせると205.9kmなので、北熊本SA到着時の走行可能距離からみて東京IC〜鹿児島料金所も、うまくすれば無給油で走破できそうです。

区間区間距離[km]累計距離[km]区間燃費[km/L]累計燃費[km/L]走行可能距離[km]
海老名SA〜浜松SA192.3192.328.428.4900
浜松SA〜桂川PA220.5412.828.028.1940
桂川PA〜白鳥PA118.3531.127.228.0850
白鳥PA〜玖珂PA283.6814.726.727.4590
玖珂PA〜北熊本SA312.21126.926.527.2320

その後、九州道を熊本ICで降り、週末をオートポリスがある大分県と、周辺の熊本県で過ごすことに。このあたりは気持ちの良いワインディングロードが続きますが、Audi A3 Sportback 1st editionのハンドリングがとても軽快で、スポーツモデルを走らせているような楽しさ。このクルマの走りの良さをあらためて確認できました。

オートポリス

SUPER GTが終わったあとは、大分の中津で一泊。山道が多い区間でしたが、北熊本SAを出てからの燃費は16.8km/Lをマークしています。

翌日は山口県の角島に寄り道して東京に戻るという強行軍になりました。東九州道の中津ICから山陽道の美祢ICまでは、途中の一般道走行を含めて、19.6km/Lという燃費でした。

美祢ICからは、クルマの流れにあわせて走行しましたが、このときもほぼACCを使用。881.4km走行時の燃費は19.3km/Lで、カタログ燃費をわずかに下まわりました。

この際、気になったのが、ACCの動き。往路と異なり、追越車線を走る場面も多かったのですが、追越車線に先行するクルマがないのに、走行車線を走るクルマに迫ると失速することがあったのです。

最終的には2545kmを走り、その総平均燃費は21.6km/L。満タン法による計算でも22.1km/Lとなかなか優秀な結果に終わりました。

それにしても、ガソリンエンジン車で無給油で東京〜九州を走れるとは、すごい時代になりましたね!

(Text & photo by Satoshi Ubukata)