2021年10月16日〜17日、栃木県のツインリンクもてぎで「TCRジャパンシリーズ2021 Round 5」が行われ、Audi RS 3 LMSの加藤正将選手がSaturdayシリーズとSundayシリーズでともに2位、Cupra TCRのHIROBON選手がSaturdayシリーズで3位、Sundayシリーズでは優勝を果たした。

第5戦には、Audi RS 3 LMSが3台、Volkswagen Golf GTI TCRが1台、Cupra TCRが1台、ALFA ROMEO GIULIETTA Veloce TCRが1台、Honda CIVIC TCRが4台の計9台がエントリーした。ちなみに、Cupraは、フォルクスワーゲングループ傘下のSEAT(セアト)のスポーツブランドである。

TCRジャパンシリーズの各ラウンドは、「Saturdayシリーズ」と「Sundayシリーズ」で構成され、15分間の公式予選と、20分+1LAPの決勝レースが、それぞれ行われる。

Saturdayシリーズ

曇り空のツインリンクもてぎでは、10月16日の午前11時55分から、Saturdayシリーズの決勝が行われた。ポールポジションはALFA ROMEO GIULIETTA Veloce TCRの#73 大蔵峰樹選手が獲得。2番グリッドがHonda CIVIC TCRの#62 塩谷烈州選手、3番グリッドがCupra TCRの#19 HIROBON選手となった。

レースは、ポールポジションの#73 大蔵選手が会心のスタートを決めてホールショットを獲得。その後方では、#62 塩谷選手、#19 HIROBON選手、Honda CIVIC TCRの#98 猪爪杏奈選手、Audi RS 3 LMSの#65 加藤正将選手による2番手争いが勃発する。

レース3周目、#65 加藤選手が#98 猪爪選手を1コーナーでオーバーテイク。その際の接触でスピンした#98 猪爪選手は最後尾までポジションを落とし、2番手争いは3台の戦いに。そしてレース7周目、2コーナーで#62 塩谷選手と#19 HIROBON選手が並びかけサイドバイサイドの戦いになるが、この2台が接触して挙動を乱した隙に、#65 加藤選手が2位に踊り出た。これに#19 HIROBON選手が続く。

この間にトップの#73 大蔵選手は後続とのギャップを広げ、独走態勢を保ったままトップでチェッカードフラッグを受け初優勝。その後方では#65 加藤選手が#19 HIROBON選手を抑えきり2位となった。3位の#19 HIROBON選手は、最終戦を待たずにSaturdayシリーズのシリーズチャンピオンを決めている。

Volkswagen Golf GTI TCRの#10 佐藤 潤選手は5位、Audi RS 3 LMSの#17 鈴木建自選手は7位、同#7 牧野 淳選手は9位で、いずれも完走を果たした。

Sundayシリーズ

冷たい雨の降るツインリンクもてぎでは、10月17日の午前10時5分から、Saturdayシリーズの決勝が行われた。ポールポジションは#73 大蔵選手が獲得。2番グリッドが#65 加藤選手、3番グリッドがHonda CIVIC TCRの#55 MOTOTINO選手となった。

通常はスタンディングスタートを採用するが、今回は悪条件を考慮してセーフティカー先導のスタートとなった。2周を終えたところでセーフティカーがコースを離れ、ここから戦いが始まった。

3周目の1コーナーはポールポジションの#73 大蔵選手が首位を守ったものの、4コーナーでは#65 加藤選手、5コーナーでは#19 HIROBON選手が先行し、この2台がトップを争うことに。

ここツインリンクもてぎがホームコースの#65 加藤選手は、難しいコンディションにもかかわらず2位の#19 HIROBON選手とのギャップをじわじわと広げていき、6周目終了時にはその差を9秒318に。そのまま初優勝を掴むと思われたが、7周目のV字コーナーでまさかのコースアウト。マシーンにダメージはなかったものの、#19 HIROBON選手に首位を奪われてしまう。

2台による激しいトップ争いはゴールまで続いたが、#19 HIROBON選手が逃げ切り、今季2勝目を挙げた。2位は#65 加藤選手、3位は病気療養から復帰した#62 塩谷選手が獲得している。

一方、#17 鈴木選手は8位、#10 佐藤選手は9位、#7 牧野選手は10位でそれぞれ完走している。

次の最終戦は、10月30日、31日、三重県の鈴鹿サーキットで開催される。

(Text by Satoshi Ubukata / Photos by TCR Japan)