2021年5月22日〜23日、静岡県の富士スピードウェイで開催された「スーパー耐久シリーズ 2021 Powered by Hankook 第3戦 NAPAC 富士 SUPER TEC 24時間レース」に、Audi R8 LMSとAudi R8 LMS GT4、Porsche 718 Cayman GT4 CSが参戦し、3台ともに完走を果たした。

今回はAudi Team Hitotsuyamaの33号車 Audi R8 LMSがST-Xクラスに、Audi Team AS Sportの505号車 Audi R8 LMS GT4と、Porsche Team EBI WAIMARAMAの22号車 Porsche 718 Cayman GT4 CSがST-Zクラスにそれぞれエントリーし、24時間後のゴールを目指す。

決勝前日の21日には公式予選が行われる予定だったが、悪天候のため予選はキャンセル。決勝のスターティンググリッドはクラスごとのランキング順となり、スポット参戦の#33 TSK Audi R8 LMSはクラス最後尾の7番手から、#505 エヴァRT初号機Audi R8 LMS GT4がクラス7番の17番手からそれぞれスタート。一方、#22 WAIMARAMA EBI Cayman GT4は前日の練習走行でマシンを大破し、急遽別のマシンを用意したため、ピットからのスタートになった。

翌22日は前日からの雨は上がったものの、厚い雲が富士スピードウェイの上空を覆う。そして、午後3時ちょうど、ローリングスタートにより24時間レースの戦いの火蓋が切られた。

Audi Team Hitotsuyamaは、かつてこのチームでSUPER GTのドライバーを務めた都筑晶裕選手と兄の都筑善雄選手が中心となり、その仲間のジェントルマンドライバー3名と、プロドライバーの宮田莉朋選手で構成されるチームだ。

レース序盤はクラス7番手を走行していたが、各ドライバーが着実に周回を重ねるとともに、プロドライバーの宮田選手が速いペースで攻め続けたことで、レース開始12時間後には総合3位までポジションをアップし、表彰台は確実かに見えた。

ところが13時間後の午前4時頃、ピットストップからコースに復帰しようとした際にクラッチの破損が発覚。チームは急遽クラッチ交換を行うが、作業に1時間半以上を要し、優勝争いから遠ざかってしまった。

それでも、24時間を走りきることを目標にレースを続け、途中、他車との接触でサスペンションの交換をする場面もあったが、最終的にはトップから96周遅れの667周を走り、無事24時間後のチェッカードフラッグを受けて完走を果たした。

一方、激戦区のST-Zクラス挑んだ#505 エヴァRT初号機Audi R8 LMS GT4は、途中、給油装置の不具合などで思うように順位を上げることができなかったが、最終的にはクラストップから158周遅れの566周を走り、クラス8位で完走した。

Porsche Team EBI WAIMARAMAは、レギュラーのKIZUNA/千代勝正/山野直也/大草りきの4選手に加えて、山野直也選手の兄でジムカーナ界で活躍を続けている山野哲也選手、さらに、元F1ドライバーのジャン・アレジ氏と後藤久美子さんのご子息のジュリアーノ・アレジ選手が参加。前述のとおり、急遽仕立て上げたマシーンでの決勝になったが、627周を走り、クラス6位で完走を果たした。

なお、ST-Xクラスの優勝は#81 DAISHIN GT3 GT-Rが果たしている。

#81 DAISHIN GT3 GT-R

次戦の第4戦は、8月1日に大分県のオートポリスで決勝が行われる。

(Text & photos by Satoshi Ubukata)