2021年4月にワールドプレミアを果たした「Audi Q4 e-tron」に、新しいデザインのステアリングホイールが装着されている。

Audi Q4 e-tronには、Audiとして初めて上下がフラットなデザインのステアリングホイールが装着される。これにより、車両への乗り降りがしやすくなるとともに、e-tronの先進的なイメージを表現しているという。

新しい形状に加えて、ステアリング軸にオフセットして装着することで、メーターが見やすくなっているのも見逃せないところで、アナログメーターの時代とは異なる工夫がステアリングホイールのデザインに込められているのだ。

ステアリングホイールのスポーク上にあるスイッチでさまざまな操作ができる「マルチファンクションステアリングホイール」はいまやすっかりおなじみだが、この新しいステアリングホイールではタッチパネルが装着され、有効な機能のみバックライトが点灯するという凝った仕組みになっている。

ところで、Audi車の場合、「アダプティブレーンアシスト」や「トラフィックジャムアシスト」、「アダプティブクルーズアシスト」など、車線維持機能を利用する際には、「ハンズオフ」、すなわち、ステアリングホイールから手を離したままで走行することは許されていない。

そのため、ドライバーは常にステアリングホイールを握っている必要があるが、操作が少ない場面では、ステアリングホイールを握っているにもかかわらず、警告が発せられることがときどきある。

そこで、Audiでは軽くステアリングホイールに触れているだけで、ドライバーの「ハンズオン」が検出できる「静電容量式タッチセンサー」の搭載を進めている。

デザインだけでなく、その中身も日々進化しているステアリングホイール。この先、どんな変貌を遂げるのか、興味は尽きない。

(Text by Satoshi Ubukata)