【SUPER GT Rd.2 Fuji】2台のAudi R8 LMSが厳しい状況を乗り越え完走

2021年5月4日、静岡県の富士スピードウェイにおいて、2021 AUTOBACS SUPER GT第2戦「たかのこのホテル FUJI GT 500km RACE」の決勝レースが行われた。

SUPER GTのなかでは最長の距離を走る第2戦は最大3名のドライバー登録が可能だが、Audi R8 LMSでGT300クラスにAudi Team HitotsuyamaとTeam LeMans with MOTOYAMA Racingは、いずれも通常どおりの2名体制で500kmの長丁場に挑む。ドライバーは、Audi Team Hitotsuyamaの21号車が川端伸太朗選手と篠原拓朗選手、Team LeMans with Motoyama Racingの6号車が本山 哲選手と片山義章選手である。

5月3日にはノックアウト方式の予選が行われ、Q1のA組に臨んだ21車の川端選手はエンジンの不調によりタイムが伸びずQ1を敗退。クラス最後尾の29番グリッドからのスタートとなる。予選後、Audi Team Hitotsuyamaは深夜までエンジン交換作業を済ませ、決勝までにはエンジンのパワー不足は解消した。

一方、Q1 B組の6号車の片山選手は8番手にはコンマ260秒及ばず、14台中10番手で惜しくもQ2進出を逃し、19番グリッドからのグリッドが確定した。

翌4日の午後2時30分からは、110周（GT500クラスの場合）に及ぶレースがスタートした。

21号車は川端選手がスタートを担当。2回のピットストップが義務づけられる富士の500km、Audi Team Hitotsuyamaは1回目のドライバー交替時にタイヤ無交換としてピットストップ時間を削る作戦を採る。そのため、川端選手はタイヤを温存しながらも、安定した走りで徐々にポジションを上げ、21周終了時に22位でピットストップ。交替した篠原選手も安定したペースで39周を走り、川端選手に再びマシーンを託す。

川端選手はいまひとつペースが上がらないマシーンを相手にしながらも、最終的には12ポジションアップの17位で、無事完走を果たした。

一方、6号車は片山選手が第1スティントを担当。しっかりっとスタートを決めて、ポジションアップを狙うが、リヤのグリップが足りないという症状を抱えていたマシーンをスピンさせてしまい25位までポジションを落とす。

41周を終えたところで、ピットストップを行い、ドライバーは本山選手に。ところが、ピットストップの際に、片山選手がエンジンを停止するのが一瞬遅れ、エンジンを止めない状態でメカニックが作業を始めるという事態が発生。これがピット作業違反となり、本山選手の走行中にドライブスルーペナルティを受けることになった。

その後、78周を終えたところで、再び片山選手に交替。自分のミスを反省しながらも、気持ちを切り替えて臨んだ最終スティントでは、チームのベストタイムを叩きだし、順位も23位まで戻してチェッカードフラッグを受けた。

レースは、GT300クラスは60号車のSYNTIUM LMcorsa GR Supra GT（吉本大樹／河野駿佑組）が、GT500クラスは17号車のAstemo NSX-GT（塚越広大／ベルトラン・バゲット組）がそれぞれ優勝を果たしている。

次の第3戦は、5月30日、三重県の鈴鹿サーキットで決勝が行われる。

(Text by Satoshi Ubukata / Photos by GTA)