2021年2月5日、Audi SportはTCR車両「Audi RS 3 LMS」の第2世代を発表した。

TCRは、2リッター以下の直噴ターボエンジンを積むFF車で争われるツーリングカーレースで、日本でも2019年からTCRジャパンシリーズとしてスタートしている。2020年はAudi RS 3 LMSで参戦した篠原拓朗選手がタイトルを獲得したのは記憶に新しい。

そのベースとなる「Audi RS 3 Sedan」がモデルチェンジしたことにともない、TCR車両のAudi RS 3 LMSも2代目に進化した。

新型は新型Audi RS 3 Sedanのイメージを受け継ぎながら、空力性能を高めたり、安全性能を高めたのが特徴だ。

搭載されるのはEA888 Evo 4と呼ばれる2.0 TFSIエンジンで、エンジンブロック、シリンダーヘッド、クランクシャフト、バルブトレイン、インジェクション、ターボなどは市販のエンジンと共通化することでコスト削減を図る。

コックピットは、操作性を向上させたことに加えて、安全性を高めたシートシステムが装着される。また、ブレーキのクーリングシステムや、調整しやすいサスペンションなどを採用している。

新型Audi RS 3 LMSは、ボディをインゴルシュタット、エンジンをハンガリーのジュールで生産し、組み立てはスペインのマルトレルで行う。カスタマーへのデリバリーは2021年末を予定している。

(Text by Satoshi Ubukata)