いやはや、凄い時代になったものです。新型コロナウィルスの影響で、いまだに海外へは行けませんが、かわりにこのところ増えているのが本国の開発陣へのリモート取材。もちろん実車に試乗はできませんが、お話は聞けるのです。

そしてこのクルマもそうでした!

「ランボルギーニ・ウラカンSTO」。このクルマについて、発表前にリモートインタビューさせていただきました。

インタビューしたのは、写真左からランボルギーニの最高技術責任者であるマウリツィオ・レッジャーニさん。チーフ・コマーシャル・オフィサーのジョヴァンニ・ペロシーノさん。そしてデザイントップのミィティア・ボルケルトさんです。とっても豪華~!

以下、質問と答えです。

Q:まずは「STO」ってどういう意味ですか?
A:スーパー・トロフェオ・オモロガータ、つまり、ウラカンのレース車両“トロフェオ”のストリートバージョンです。しかし、レースカーの単なる公道版とではなく、本当にいろんな使い方ができるクルマだと思っています。日常的に使うこともできますし、究極のサーキット走行を十分に楽しんでいただける信頼性の非常に高いクルマです。

Q:「ウラカンSTO」を出そうと思ったきっかけは?
A:ランボルギーニのワンメイクレースや、デイトナ24時間で勝利するといったレースカーづくりで得たノウハウを最大限に活用したクルマをつくりたかったのです。そこで必要なのは、まずはコーナリングの速さ。これには空力と軽量化が必要です。次にパワーを最大限に出しながら、いかに軽量化し、ブレーキ性能を高め、シャシーのコントロールを最大限に発揮するか。中でも空力性能を最大限にするため、最先端のランボルギーニの最高技術を使っていて、ドラッグも軽減。コーナリングも高いスピードのまま可能です。

ブレーキにはF1から「CCM-R」という技術を初めて採用しました。これはカーボンファイバーのブレーキで、きわめて軽量かつパワフルで、最大限のパフォーマンスを発揮します。

同じ条件でテストしたところ、従来のセラミックブレーキと新しいテクノロジーのCCM-Rでは、CCM-Rのほうが9%速いです。つまり、パフォーマンスを高めながら、信頼性も向上しています。このCCM-Rのブレーキを採用することで、たとえ2時間運転したあとでもクーリングに不安はありません。

そしてもうひとつ重要な柱として、パフォーマンスを上げるために軽量化を図りました。カーボンファイバーを多用することで、1339kgの乾燥重量を実現しました。ボディパネルはすべてカーボンですし、チェントルスティーレのスタッフも、部品やコンポーネントを統合することによって軽量化と効率化を図りながら、高い剛性を確保しています。

Q:日常的に使えるクルマにするために変えた部分はどこですか?
A:パラメータを変えています。そしてドライブモードを選択することによって、いろんな運転の仕方ができます。STOモード、トロフェオモード、ピアッジャモードがあり、STOモードだと通常の柔らかい乗り心地、レースモードにすると非常に反応が速い、加速も速い、そしてサスペンションやダンピングも剛性が高いようなモードになります。

Q:STOならではのこだわりは?
A:レースカーの非常にレベルの高いレプリカをつくりたいと思いました。デイトナで3回優勝した素晴らしいクルマですので、そのデザインを踏襲してサーキットでも普通の路上でも愉しんでいただけるようなクルマをつくる、という狙いがあります。また、非常にワイドなプロポーションにしました。カーボンファイバーも非常にたくさん採用しています。英語で「clamshell」「cofango」と呼んでいるものですが、カーボンファイバーを使って、車体も一体化させ、統一化したデザインを作りました。

そしてまた、レースカーを踏襲したところが、ルーフ、センターフィンです。F1のようなデザインを施すことで、走行時の安定性を保っています。

リヤウイングは、オーナーの方が3種類の設定をすることが可能で、レースカーのフィーリングを楽しんでいただけます。また「ウラカンSTO」という名前を付け、ウラカンらしさも残している」ということです。

日本人はランボルギーニがお好きらしく、ランボルギーニの全世界の売り上げのうち、日本のマーケットは8%を占めるボリュームマーケット。しかし、実数以上にランボルギーニ社の人たちは日本がお好きな様子。日本のお客様は最高!と語っています。

そしてローンチのときに登場したボディカラーのお話。

アンベールでは水色にオレンジのボディカラー。「Blue Laufey」という美しいブルーに、ランボルギーニのレースカーのDNAであるオレンジを採用しています。

とはいえ、ボディカラーは350色以上から選べるので、自分だけのカラーが楽しめるかも!?

(Text by Yumi Yoshida)