雨の日の安心・快適なドライブに欠かせないパーツは?

※2013年5月の記事を再構成して掲載しました。

梅雨の時期に活躍するパーツといえば、誰もがワイパーを思い浮かべるはず。フロントガラスに落ちた雨粒をきれいに拭き取る様子は、見ていて気分がいいですし、クリアな視界が確保されて安心です。

しかし、ワイパーは消耗品。時間の経過とともに劣化し、拭き残しが目立ってきたら交換が必要です。雨の日に「しまった、交換しておけばよかった」と後悔しないよう、早めの交換がお勧めです。

上の写真はAudi純正ワイパーブレードです。高速走行時の"浮き上がり"を抑える空力デザインを採用しています。触ってみるとしなやかに動き、これならフロントガラスの水滴をしっかり払い去ってくれそうです。

今回もプロジェクトカーのAudi S4(2009年モデル)を神奈川県横浜市にあるAudi港南台に持ち込み、作業をお願いしました。

ところで、このAudi S4に限らず、最近のモデルは、ワイパーの停止位置ではワイパーアームを持ち上げることができません。無理矢理持ち上げると、ボンネットに干渉して傷つくことあります。そのために設けられているのが"サービスポジション"。この位置にワイパーをセットすれば、ワイパーアームを持ち上げることができます。雪の日にクルマを屋外に停めるような場合にも、このサービスポジションが活用できます。

Audi S4の場合、サービスポジションにセットするにはMMIを操作します。

ワイパーをサービスポジションにセットしたあとは、左右のワイパーブレードを交換します。メカニックがウエス片手に作業しているのは、ワイパーブレードを外した状態で、ワイパーアームがフロントガラスを傷つけないための配慮です。こういう細かい気づかいがうれしいですね。

雨の日、安心して走れるよう、タイヤにも気を配りたいものです。タイヤが摩耗して溝が浅くなってくると、雨の日にタイヤ本来の性能が発揮できず、走りが不安定になります。日本の法規では残り溝が1.6mmになるまで使用できますが、それはあくまで法律上のこと。備えあれば憂いなし、ということでタイヤも早期交換がお勧めです。

今回は4本すべてを新品に交換します。問題は、数あるタイヤのなかから、クルマのパワーやハンドリング、快適性、車両重量などにマッチする製品を選びだすことです。こんなとき頼りになるのがAudi正規ディーラーのスタッフ。さっそく相談すると、Audi S4にふさわしいタイヤとして勧めてくれたのが、ピレリ・チントゥラートP7でした。タイヤサイズはいままでと同じ245/40R18 93Yです。

下の写真で、右がいままで履いていたタイヤ、左が新品のピレリ・チントゥラートP7です。

ところで、ピレリ・チントゥラートP7には左の写真のように「AO」の文字が記されています。これは、Audiの"認定タイヤ"であることを示すマークです。Audiは、さまざまなタイヤをテストし、安全性、快適性、ウェット性などを厳しくチェックし、基準を満たしたタイヤにお墨付きを与えているのです。

Audi港南台では、タイヤの組み替えもメカニックが行っています。専用のツールを使ってタイヤをアルミホイールから脱着し、また、ホイールバランスも調整します。

タイヤの組み替えとともに、エアバルブも交換しておきます。経年変化したエアバルブは空気漏れの原因になります。エアバルブを交換するには、タイヤをアルミホイールから外さなければなりませんので、タイヤ交換と同時にエアバルブを新品に替えておくのがベストでしょう。

タイヤを組み替えたあと、手際よくクルマにホイールを装着するメカニック。トルクレンチを使って、規定のトルクでボルトを締めていきます。

最後に、タイヤの空気圧を調整します。指定の空気圧は運転席ドアの後端に貼られたステッカーに記されています。 乗車人数や荷物の量によって最適な値が異なりますので、使い方を考えて設定します。

作業が終わり、ディーラーから走りだすと、タイヤのロードノイズが小さくなり、また、乗り心地が良くなったことにすぐに気づきました。別の日に、雨の中を走行したときには、ワイパーの拭き残しがなくなり、クリアな視界によって快適なドライブが楽しめました。

雨の日は、スリップと視界不良により、雨が降っていないときに比べて事故が多くなるという統計があります。タイヤとワイパーのコンディションを常にチェックするとともに、安全運転を心がけましょう。

それでは今日も運転、お気をつけて!

(Text by Satoshi Ubukata)