2014年に「A2 Life」というリフレッシュ企画で登場した「Audi A2」。その後、なかなかドライブする機会がありませんでしたが、久しぶりに引っ張り出してみることにしました。

1997年、Audiはその年のフランクフルトモーターショーに、プレミアムコンパクトカー「Al2」を出品しました。Audiはオールアルミボディの初代「Audi A8」を1994年からドイツのネッカーズルム工場で生産。アルミボディを実現する技術がASF(アウディ スペースフレーム)でした。

そのASF技術をコンパクトカーに応用すべく考案されたのがAl2でした。Al2は、全長3.75mのコンパクトなサイズながら、やや高めの全高とタイヤを4隅に配置して前後のオーバーハングを切り詰めることで、広い室内空間を確保。また、オールアルミの軽量ボディにより、機敏な走りと低燃費の両立を目指しました。

そのコンセプトとデザインを受け継ぎ、1999年に登場したのが、Audi A2だったのです。量産タイプは、全長3.82×全幅1.67×全高1.55mのコンパクトなボディに、大人4人が余裕をもって乗れる空間を確保。もっとも軽量なグレードの場合、車両重量は895kgにすぎませんでした。

自動車史上エポックメイキングなAudi A2でしたが、残念ながら日本に正規輸入されることはなく、並行輸入された車両が若干存在する程度です。その一台を8speed.netのスタッフが中古で購入。その後、日本の道路状況にあわせてパーツを交換したり、経年変化した部分をリフレッシュしたことは前出のA2 Lifeで紹介したとおりです。

そんなAudi A2を久しぶりに運転したくなった私は、このクルマをしばらくお借りすることにしました。ドライブするにあたっては、各部の点検をmaniacs STADIUMで実施しています。

さっそく走り出したいところですが、その前に荷室を見てみると、これまで気づかなかったことが……。荷室のフロアが2段になっていて、フロアを高いポジションにしておくと、後席を倒したときに段差ができないデザインに。後席は跳ね上げたり、取り外すことが可能で、Audi A2が単なるハッチバックではなく、コンパクトMPV(マルチパーパスビークル)として設計されていたことがうかがえます。

下の写真はAl2 conceptを上から見たところで、Audi A2の荷室がこのコンセプトカーの考え方を受け継いでいることがよくわかります。

それはさておき、リフレッシュからもうすぐ6年となるこのAudi A2、油脂類や消耗品の交換は必要ですし、気になるところもいくつかあるので、メインテナンスをしながらドライブの機会を増やしていこうと思っています。

(Text by Satoshi Ubukata)