2代目に生まれ変わった「Audi A1 Sportback」の1.5 TFSIエンジン搭載グレードに試乗。その印象は?

新型Audi A1 Sportbackが2019年11月1日に日本でも発表になった。新型はSportbackと呼ばれる5ドアモデルのみで、まずは1.5 TFSIエンジンを搭載した上位グレードが導入され、2020年第2四半期には1.0 TFSIエンジン搭載グレードが発売される予定だ。

販売の中心は1.0 TFSIエンジンのAudi A1 Sportback 25 TFSIになると思われるが、まずは先行して発売されるAudi A1 Sportback 35 TFSI Advanceを、プレス試乗会でチェックすることができた。

初代Audi A1を日本導入とともに購入した私としては、新型の出来映えに興味津々(笑) 走り出す前に細部をチェック、真っ先に見たのが……

ラゲッジスペース! 初代Audi A1の弱点のひとつが、ラゲッジスペースの狭さ。フロアの下にバッテリーが置かれていたことから、フロアが高い位置にあり、荷物があまり載らなかったのだ。

さすがに新型では改善され、バッテリーがエンジンルームに移され、フロアを低い位置でも使えるようになった。ラゲッジスペースの横幅も拡大され、これなら必要十分というサイズである。

ホイールベースが95mm拡大されたおかげで、後席のスペースにも余裕がある。とくにレッグスペースは前席と膝のあいだに拳2個分の空間を確保。爪先が前席下にすっぽり収まり、自然に足を伸ばすことができるので、とても楽な姿勢で着座できるのもうれしい。

コックピットも大きく様変わりした。まず感じるのは、横方向の広さ。水平基調のダッシュボードの効果か、1740mmの全幅に見あう余裕が感じられる。タッチディスプレイがつく最新のMMIナビゲーションシステムとバーチャルコックピットのおかげでデジタル化もさらに進化。エアコンの操作パネルが薄くまとめられたぶん、センタークラスターがすっきりしたのも新型の印象を大きく変えている。

細かいところでは、スマートフォンのワイヤレスチャージングに対応。ただし、MMIナビゲーションシステムとバーチャルコックピットは“ナビゲーションパッケージ”、ワイヤレスチャージングはスマートフォンインターフェイスとセットオプションで、それぞれ31万円と12万円のエクストラが必要になる。

一方、個人的に残念なのが、パドルシフト付きステアリングホイールが標準で装着されないこと。パドルシフトにするには、S lineを選び、さらにオプションの“S lineインテリアパッケージ”をオーダーする必要があるのだ。

それはさておき、シンプルながら上質な仕立てのフロントシートに座り、さっそく走り出すと、その動きの軽快さがとても印象的だ。

動き出した瞬間から軽やかで、ひとまわり軽く小さいクルマを運転しているような感覚である。フォルクスワーゲン グループの横置きプラットフォーム「MQB」を新たに採用したことで、ボディのしっかり感もアップ。タイヤと路面とのコンタクトがやや硬めなのが気になるものの、乗り心地はマイルドで落ち着いている。

この日は箱根ターンパークが試乗会の拠点になったが、適度なロールをともないながら軽快なコーナリングを見せるハンドリングも実に楽しい。

搭載される1.5 TFSI CoDは、従来の1.4 TFSI CoDに代わる新設計のエンジン。CoDとは“シリンダー・オン・デマンド”の略で、走行中にあまりトルクを必要としない場面では、4気筒のうち2気筒を休止(バルブを閉じたままにする)させることで、燃費の向上を図るというものだ。

1.4 TFSI CoDは、最高出力150ps、最大トルク250Nmのスペックを誇り、Audi A1だけでなく、A3シリーズやQ2、さらにはA4シリーズにも搭載されるだけに、コンパクトなA1を走らせるには十分過ぎる性能の持ち主。それを進化させた1.5 TFSI CoDは、最高出力150ps、最大トルク250Nmの数字は1.4 TFSI CoDと同じで、余裕ある走りは容易に予想できる。

実際にドライブすると、1.5 TFSI CoDは期待に違わぬパフォーマンスを見せ、低回転から余裕あるトルクによって軽々と加速させるとともに、2000rpmを超えたあたりからはさらに力強さを増し、6000rpmを超えるまでスムーズに回転を上げていく。

エンジンのノイズや振動も1.4 TFSI CoDのレベルをさらに改善しており、4気筒と2気筒の切り替えも気づかないほどだ。瞬間燃費を見るかぎり、2気筒モードを多用しているようで、すぐれた実用燃費が期待できそうだ。

短時間の試乗だったが、デザインが一新され、走りが確実にグレードアップした新型Audi A1 Sportback。今後、機会を見つけて、長時間試乗し、実際の燃費やドライバーアシスタンスシステム、インフォテインメントなどをじっくりチェックしたいと思う。

(Text & Photos by Satoshi Ubukata)