2019年9月28日、29日、岡山県の岡山国際サーキットで「TCR Japan Series 2019 Round 4 Okayama」が行われ、土曜、日曜ともにAudi RS 3 LMSを駆る篠原拓朗選手がポール・トゥ・ウィンを決めた。

TCR車両で競われるスプリントレース「TCRジャパン シリーズ」の第4ラウンドとなる岡山には、Audi RS 3 LMSが5台、VW Golf GTI TCRが4台、ALFA ROMEO GIULIETTA TCRが2台、Honda CIVIC TCRが5台の計17台が集まった。

今回もまた、土曜日に「Saturday Series」、日曜日に「Sunday Series」が行われ、両日とも、20分間の公式予選と、23分+1LAPの決勝レースが行われる。

9月28日 Saturday Series

これまで4度のポールポジションを獲得する速さを持ちながら、優勝には手が届かなかったAudi RS 3 LMSの#21 篠原拓朗選手(Hitotsuyama Racing)。前日に行われた3回の専有走行ではいずれもトップタイムをマークし、Saturday Series当日の午前中に行われた予選でも、ポール・ポジションを獲得した。

これに、ジェントルマンクラスの#33 前嶋秀司選手(GO&FUN Squadra Corse/ALFA ROMEO GIULIETTA TCR)、#52 密山祥吾選手(埼玉トヨペットGreen Brave/VW Golf GTI TCR)が続いた。

決勝で#21 篠原選手は、Audi RS 3 LMSでは難しいとされるスタンディングスタートを見事に決めて真っ先に1コーナーへ。

その後方では、うまくスタートを決めた#5 金丸ユウ選手(TEAM GOH MODELS/Honda CIVIC TCR)と#33 前嶋選手との2位争いが白熱。#18 マシュー・ホーソン選手(Honda CIVIC TCR KCMG/Honda CIVIC TCR)もスタートで順位を上げるが、#52 密山選手との接触によりコースアウトし、大きく後退してしまう。

#5 金丸選手と#33 前嶋選手が2位争いを演じている隙に、#21 篠原選手は後続との差をじわじわと広げていく。2周目には#33 前嶋選手が2位に浮上し、#21 篠原選手を追う展開になるかと思われたが、#33 前嶋選手にジャンプスタートの判定が下り、優勝争いの権利を失ってしまう。

トップの#21 篠原選手はファステストラップをマークする快走ぶりで後続を寄せ付けず、念願の初優勝をポール・トゥ・ウィンで手に入れた。2位には、#25 松本武士選手(Volkswagen 和歌山中央RT with TEAM 和歌山/VW Golf GTI TCR)がつけている。

ジェントルマンクラスでは、一時、総合3番手に浮上した#19 HIROBON選手(BRP☆HITMAN☆ANDARE Golf GTI/VW Golf GTI TCR)が初優勝。オーバーオールでも3位を獲得した。

9月29日 Sunday Series

前日に初優勝を遂げた#21 篠原選手の勢いはこの日も止まらない。午前中に行われた予選では、前日の予選タイムをさらに上回る1分36秒477をマークし、自身が前日打ち立てたコースレコードを更新して、ポール・ポジションを獲得した。2番手は#33 前嶋選手、3番手は#52 密山選手と、前日と同じ顔ぶれである。

決勝では、#21 篠原選手がスタートで出遅れ4番手まで後退し、#33 前嶋選手、#52 密山選手、#5 金丸選手に先行されるが、2周目終了時点では2位まで順位を戻す。

さらに3周目にはトップを走る#33 前嶋選手を捉えて首位に浮上。

それ以降も、会心の走りで後続とのギャップを広げ、前日に続き、ポール・トゥ・ウィンを決めた。なお、2周目にはファステストラップを記録している。

#21 篠原選手は、3回の専有走行と2回の公式予選、さらに2回の決勝レースでトップタイムをマークし、まさにパーフェクトなレースウィークになった。オーバーオールの2位は#33 前嶋選手、3位は#52 密山選手。

次の第5戦は鈴鹿サーキットで開催の最終戦。WTCRとの併催となるため、Saturday Seriesが10月25日(金)、Sunday Seriesが10月26日(土)に開催される。

(Text by Satoshi Ubukata / Photos by TCR Japan)