Qファミリーに新たに加わった「Audi Q8」に試乗、その第一印象は?

AudiのSUVは“Qファミリー”と呼ばれているが、新しいフラッグシップモデルとなるAudi Q8が日本上陸を果たした。

その概要は上記のニュースをご覧いただきたいが、Audiの最新技術とクーペスタイルのデザインによってつくりあげられたスタイリッシュなSUVである。

それだけに、基本設計を共有するAudi Q7とはずいぶん印象が異なる。Qファミリー専用の8角形のシングルフレームグリル、サッシュレスドアと低めのルーフラインが生み出すクーペの雰囲気、上下二段のタッチパネルを配したMMIタッチレスポンスなど、最新のAudiが詰め込まれているのだ。

さて、今回試乗したのはS lineパッケージが標準で備わる「Audi Q8 55 TFSI quattro debut pakage S line」。S lineエクステリアや、ベースモデルから2インチアップの285/40R22タイヤが装着される、よりスポーティな仕様である。

そう聞くと試乗する前から身構えてしまうが、いまどきのS lineだけに心配は不要だった。アダプティブエアサスペンションスポーツが標準装着されるこの仕様では、22インチタイヤを履いているのを忘れてしまうほど乗り心地はマイルドで快適、その挙動も落ち着いている。

駐車場では大きく感じたボディも、走り始めれば実際よりも小さく思えるから不思議だ。しかも、4輪操舵のオールホイールステアリングが追加されているこの試乗車の場合、Uターン時には驚くほど小回りが効くし、高速走行時のレーンチェンジも安定しきっている。コーナーでもロールがよく抑えられ、SUVクーペにふさわしい走りを手に入れたといえる。

搭載されるパワートレインも実に頼もしい。55 TFSIには3L V6ターボの3.0 TFSIと8速ティプトロニックが組み合わされるが、さらにAudi Q8の場合は、最新のA8同様、48Vマイルドハイブリッドシステムが採用される。パワートレインの効率化、すなわち、低燃費に貢献するマイルドハイブリッドだが、加速時にはモーターによってエンジンをアシストしているようで、低回転からレスポンスが良く、十分なトルクにより余裕の加速を見せてくれる。

一方、高速道路の合流などの場面でアクセルペダルを踏み込むと、3500rpmを超えたあたりからさらに力強く、レブリミットの6500rpmまで気持ちの良い加速が続く。

クーペスタイルということで、後席のスペースを心配したが、余裕あるボディのおかげで大人が座っても十分な余裕を確保。ラゲッジスペースも私には十分広く、3列シートが不要であれば、Audi Q7よりもこのQ8を積極的に選びたいと思った。

(Text by Satoshi Ubukata)