RS 4 Avantの場合、4.2L V8の最高出力が450ps、最大トルクが430Nmですから、十分すぎる余裕......。街中ではアクセルペダルを軽く踏むだけですいすい加速しますし、高速でも、余程のことがなければ3000rpmまで回転を上げる必要はありません。
そして、いざとなれば8000rpm超まで鋭い加速を見せるV8をドロドロいわせて(笑)、高回転型自然吸気エンジンの実力を確認することもできます。
ただ......以前に比べればマイルドになり、街乗りもなんとか許容できるレベルに収まる乗り心地ですが、高速では目地段差を越えたときのショックが拭いきれず、硬さが目立つため、長距離走行はちとツライというのが正直なところ。その点、S4は適度な硬さと優れたフラット感のおかげで、このRS 4 Avantよりも疲労は少なく、優秀なグランドツアラーということができます。
でも、RS 4 Avantの巌のような剛性感を誇るボディや俊敏なハンドリング、自然吸気エンジンの緻密なフィーリングなど、飛ばしていないときでもクルマ好きの心を刺激するところがたくさんあるんですよ。もちろん、S4はバランス良くまとまったクルマですが、あくまでA4/A4 Avantの延長線上にあるスポーティなモデル。一方、RS 4 Avantは、A4 Avantの形をしたスポーツカーなんですね。
RS 4 Avantでの日帰り500kmの旅は正直すこし疲れましたが、このクルマがますます好きになりました。
1195万円かぁ......溜息。
(Text by Satoshi Ubukata)