先般メルセデスは新しい法則のもとにネーミングを変えました。その結果、MLはGLEに、そしてGLKはモデルチェンジのタイミングでGLCとなり、これがこの度日本導入とあいなったわけです。
一番大きいGLもどこかのタイミングでGLSとなるでしょう。GLAは新しい法則をいち早く取り入れたネーミングだったわけですね。
GクラスはGクラスのままです。孤高の存在ですから。
日本仕様のGLCは現時点では250のみ。2Lガソリンターボと9速ATの組み合わせです。全長4660mm、全幅1890mm、全高1645mmですからサイズはAudi Q5と同程度。この先どこかのタイミングでディーゼルやプラグインハイブリッドも追加されます。Cクラスに準じる最新の安全装備が備わります。ドイツでは昨年から売られており、昨秋、ちょこっと街中で試乗する機会を得ました。
運転し始めてすぐに背の高いCクラスだと感じました。持て余さないサイズというのがあるじゃないですか? それがどこまでのサイズを指すのかは人それぞれ違うようでいて、実は誰に聞いてもだいたい同じような感覚をもっています。道幅が同じですから。GLCくらいがちょうどいい。その印象はドイツの街中での印象だったのですが、先日、日本で外に置いてあるGLCを見て、その感覚が正しいことを確認しました。
このサイズは多くの女性の支持を集めるでしょう。東急沿線や阪急沿線の街で大人の女性がこぞってGLCを運転しているのが目に浮かびます。with大きめサングラス。
先代のGLKはもっとコンパクトで取り回しは抜群によかったのですが、その代わり、ラゲッジスペースをはじめとする車内全般は、もう少し広ければなぁと感じさせました。
走りを論じるには時間とステージが足りませんでしたが、快適な乗り心地と軽快なハンドリング、それに2リッターターボならではのトルキーな感覚はしっかりと印象に残っています。2月末には自動車専門誌やウェブサイトに詳細なインプレッションがわんさか掲載されるでしょう(←他力本願)。
価格はGLC250 4MATICが628万円、豪華装備のGLC250 4MATIC Sportsが678万円、そのレザーシートバージョンが745万円。
まもなく開かれるジュネーブショーでは新型Eクラスが登場します。すでに明らかになっているスタイリングを見ると、SクラスにそっくりなCクラスにそっくり! つまりメルセデスの全セダン/ワゴンが非常に似た顔をもつ状態となりそうです。
さらに写真を見ればわかるように、SUVも遠目には見分けるのが難しいほど似かよった顔つきでそろっています。どのモデルかはともかく、ひと目でメルセデスだと認識できることが重要ということでしょう。
写真の一番手前の赤は日本未導入のGLEクーペ。これもそのうち入ってくるはずです。メルセデスの攻勢はしばらく止まりそうにありません。
(Text by Satoshi Shiomi)