実はこのサイトを運営するスタッフのひとりである生方 聡さんから当コーナーの名前について「『塩見智の〜視点』の『〜』のところに何を入れようか?」と相談を受けました。で、いくつか案を返したんです。最初に思いついたのは「塩見 智の練馬視点」。練馬に住んでいるので「1to8.net」の練馬支店になれればいいなと。そうです。ほとんどダジャレかダジャレ並みのことしか言わないんです。
次に思いついたのは「塩見 智の視点・論点」。NHKのパクリですね。その次は「塩見智の下から目線」。近頃は「上から目線の人が多くて困る」とか『上からマリコ』という歌がヒットしたりしているそうですが、イタ/フラ/日本車しか自分で買ったことのない僕にとって、ドイツ車は斜め上じゃなく真上にある存在です。要するにイタ/フラ/日本車好きにとってのドイツ車について、このタイトルで書いてみたかったのですが、セルフボツ。
それこそ視点を変えて、アウディの歴史や特徴に目をつけてみました。「塩見智のアウト雲丹オン」とか「塩見智のオールロード長瀞」......。人間、一度ダジャレ脳になってしまったらしばらく治らないようです。
ちなみに、アウトウニオンというのは、メルセデスとともに第2次大戦前にドイツの威信をかけてヨーロッパのグランプリでアルファロメオなどと戦ったアウディの前身です。数年前、インゴルシュタットの本家アウディ・フォーラムでタイプD(確かレプリカ。神宮前のアウディ・フォーラムにも来たことありますよね)を見て震えました。これが1930年代のクルマかよ! って。
フェルディナント・ポルシェ設計のレーシングカーでV16エンジンをミッドに搭載しています。当時は太いタイヤがなかったのか、グリップを稼ぐためにトラックみたいにダブルタイヤになってます。タイプDはヒルクライム用ですが、最高速チャレンジ仕様なんかも存在しました。このあたりがアウトウニオン、つまりアウディ史の最初のハイライトなのですが、あまりにも戦争に直結しているせいか、メーカーは大々的にはこの時代の活躍をあまりPRに活用しませんね。
うーん、歴史から攻めてもいいのを思いつかない。困った......と思っていたところに生方さんから再び連絡が。「Vorsprung視線にしたから」。あっさり決まってしまいました。決まったからには先進的なコーナーにしたいと思います。
それでは、また近々。次から真面目なことも書きます。
(Text by Satoshi Shiomi)