今回から2回にわたり、試乗の際にチェックしておきたい「ノイズ(騒音)」について説明します。 クルマのノイズには、エンジン音、エキゾーストサウンド(排気音)などいろいろなものがありますが、ここではタイヤが発する音に注目し、タイヤのパターン(溝)によって発生する「パターンノイズ」と、タイヤの構造(部材やゴム硬度)によって発生する「ロードノイズ」のふたつを見ていくことにします。

またそれぞれのノイズはコンディション(速度、路面)によってレベルが大きく変わるので、そのあたりも解説していきます。


■パターンノイズ

タイヤの表面の溝が路面と接した際に発する音で、音色(周波数)の高い音です。発生しやすい路面は比較的新しくきれいなアスファルトで、速度は中~高速域が聞きやすい領域です。パターンノイズは速度が高いときに気づきやすため、バイパスや高速道路での走行時に気になることが多いものです。

周波数の違いにより音色はさまざまですが、通常のアスファルトだと400〜800Hzくらいの"ファー"、"ヒャー"といった擬音であらわされる音となります。100km/h以下なら何かしら発生はしていますので、それが耳障りかどうかチェックをしましょう。


さらにきれいな路面だと、雨の日のタイヤの水切り音のような"サー"とか"シャー"などの擬音で表わされる高周波の音が聞こえます。速度はやや高めで中速以上で発生しやすいですが、最近のクルマ/タイヤの組み合わせではあまり出なくなってきています。

ただしスタッドレスタイヤなどでは少し出やすいかもしれませんので、冬場にタイヤを変える方はチェックしてみるとよいでしょう。

次回はロードノイズについてお話しです。

(Text by Michiya Kasai)